論戦を制したのはトランプ氏だ。現職大統領をKOしマットに沈める場面こそなかったが、鋭いパンチを繰り出すトランプ氏が終始優勢を保ち、相手を防戦一方に追い込んだ。
呆け老人の如く宙を彷徨う視線、聞き取り難い掠れ声と相まって、バイデン氏の俯き加減で自信無さげな表情には、大統領の威厳など微塵も感じられなかった。
方やトランプ氏、どう振る舞えばTV視聴者が喜ぶか熟知しているようで、堂々たる受け応えと分かり易く力強い主張を披露し、国家の指導者に相応しい強烈なオーラを放った。
自身の有罪判決は民主党政権による司法の捻じ曲げであり、バイデン流の移民受入拡大やグリーン政策は国民を不幸にする愚策と断じる氏に拍手喝采した大衆は多かったろう。
討論会直後の米国で、どちらが良かったか緊急世論調査が行われたが、トランプ氏と答えた人が67%、バイデン氏との回答は33%と明暗がハッキリ分かれた。
この結果に慌てたのが民主党陣営だ。再選への切り札は現職の強みのみゆえ、ソレが発揮出来ぬなら他の候補を擁立すべし、との声が党内で噴出し始めたらしい。
いやいや、実は耄碌爺さんに出馬を諦めさせるため、秋に行うTV討論会をわざわざ夏に繰り上げたのだ、と識者の指摘もあるようだから、民主党は本気で首をすげ替える気か。
トランプ共和党陣営はこの討論会であまりにも差をつけ過ぎたがため、よぼよぼのバイデン氏より若く魅力的な民主党候補にぶつかる可能性を生んでしまったのか。
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