2011年06月01日

剣客石破が街道を行く。「菅を斬れ」シリーズ!

若い侍たちが数名、縄のれんをくぐった。一膳飯屋の薄暗い店内に戸惑ったのもつかの間、隅に陣取る男を見つけ、あたふたと駆け寄った。「先生」「先生」と、口々に呼びかける。

 

先生と呼ばれた男は用心棒と云った風体である。素浪人らしい。大柄な身体を丸めて、手酌でちびちびと酒をたしなんでいる。

 

「先生」

 

もう一度呼ばれてから、男はゆっくりとこちらを振り向き、侍たちをちらりと見てから、またソッポを向く。

「五月蝿い奴らじゃのう。見れば判るではないか。わしは好物の卯の花で一杯やっておる。邪魔するな。」こう云うと、猪口を口元に運ぶ。

 

「先生、折角お会いできたのですから、拙者の話をお聞きください。」と懇願するような目つきの侍。

「何がお会いできたじゃ。峠の茶屋から、このわしをずっとつけて来たではないか。」と素浪人。気付かぬふりをしながら、侍たちの尾行は知っていたらしい。この男、出来る。

 

やや年嵩の侍が遠慮がちに、男の正面に腰を据える。

 

「先生、いつまでも諸国漫遊などしている時ではございません。震災で奥羽と三陸が壊滅後、三月近くも経ちながら、幕府は何ら手を打たぬ有様。被災した民百姓が呻吟していることお聞き及びでございましょう。江戸の町民どもも、幕府が悪いと騒ぎ出し・・・」

 

その話聴くに及ばぬとでも云うように、手でさえぎった男。声をぐっと潜めて、つぶやく。「倒幕か」

 

無言で頷く侍たち。安酒場にて大声で話せる類いではない。

 

素浪人はゆっくりと語り出す。

「不信任案を提出するのはよいが、仮に否決された場合でも幕府が悪いと云うことにせねばのう。拙速はいかん。それに」

と、ここで酒をぐいとあおり、

 

「鳩山や小沢とは目指すところが異なろう。仮に可決したとて、意見の合わぬものと一緒になれば、野合ではないか。」

と云った。

 

侍がかっと目を見開いて反論する。

「お待ちください、先生。不信任案提出は、既に谷垣様の命でございますぞ!」

 

これには驚いた様子の男。「何、あの谷垣殿が!?け、決意なされたのか、本当か?」

江戸を離れていた素浪人には、意外な展開であった。あの大人しい、虫も殺さぬ人物が謀反を決意するとは。

 

「事態は風雲急を告げております。先生には早速、江戸にお戻り頂きませんと」と畳み掛ける侍。やや、間があって、男は短く答えた。「分かった」

 

 

 

 

暫くして大ぶりの徳利が空になったのを確かめると、素浪人は長尺の刀を肩にかついで立ち上がり、さっと飯屋を出た。街道をすたすたと歩き始めた男を侍達が追う。

 

「先生」「先生」と、口々に呼びかける。

「先生、方向が違います。江戸はあちらでございます」

 

「いや、かまわん。こっちでいいのじゃ」男はにっこり笑って、西の方角を指差した。「これから鳥取に向かう」

 

あっけにとられる侍たちに向かって、こう云った。

「おぬしたちも国に帰れ。解散総選挙じゃ。」

 

 風が強くなった。黒雲が迫っている。

 

 

 

 

 

 

 

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2011年05月31日

「菅を斬れ」、ついに小沢が登場!

屋敷の主が悠然と姿を現すと、大広間に緊張が走った。百名近くの武士達が一斉に額を畳にこすりつける。

 

上座に着席した主は、訥々とした口調で皆に声をかける。

「苦しゅうない。面を上げよ。」

 

城の普請に関わる賄賂を受けたとして、今は蟄居の身ながら、かっては老中として権勢を誇ったこの主。自らを父と慕う若い武士達に囲まれた姿には、堂々たる風格が漂う。主は顔ぶれを確かめるように一同をぐるりと見渡し、そして語り出した。

 

「此度の天災で、上様は・・・」

ここで言葉を切る。太閤を上様と呼ぶとき、常に少なからぬ抵抗を感じる。あの下賎な男を敬称で呼ばねばならぬとは。

 

「・・・ご乱心じゃ。」

 

太閤の生まれは卑しく、どこの馬の骨ともわからぬ下層階級の出身である。農民の分際ながら、地元の豪族に足軽としてかり出されたのが出世のはじまり。戦乱の世にて狡賢く立ち回り、天下を取った迄はよいが、支離滅裂な治世で、人心は荒廃し経済は疲弊している。そこに大地震と津波が襲って来て、混乱に輪をかけた。

 

「・・・これだけ多くの命が失われたが、上様は平然としたまま、復興に思いを馳せることもない。家屋や田畠を失った民百姓に救いの手を伸べぬどころか、疫病の恐れありとの占いを信じて、むざむざと家畜まで殺す有様じゃ。お気が触れたのであろう・・・」

 

主は言葉を続けた。

 

「・・・人災をまき散らしながらも、ひたすら天下人の地位に執着するばかり。さぞや、帝(みかど)も御心を痛めておられよう。」

 

若い武士達は一様に、はっと息を飲む。主は、決して謀反を起せとは云ったわけではない。しかし明らかに太閤を倒せと示唆しているではないか。

 

 

 

 

ひとりの武士がするすると前に進み出た。目が血走っている。

「恐れながら申し上げます。乱世から民の命を救うため、上様には御身をお引き頂くしかございません!」

 

後方に座る武士が大きな声を上げた。

「お、恐れながら。われわれが侍の魂を見せ、国を救うしかございませぬ!」

 

「そうだ、そのとおり!」賛同の声が次々と上がる。

 

主は再び、一同をぐるりと見渡す。

「そこまで、皆が申すとはの」

 

そして、ゆっくりと低い声で、つぶやいた。

「菅直人之守を斬れ・・・か。」

 

傍らの小姓から名刀村正を受け取ると、さっと鞘を払った。抜き身の刃がぎらりと光る。無能なる太閤倒すべし、一同が謀反を決意した瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

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2011年05月29日

菅を斬れ!谷垣の剣が唸る!

今日も再び登場した「菅を斬れ」シリーズ。なぜって、昨日このブログに掲載した剣豪西岡の拙イラストを見て、ふと思ったのです。

 

菅よ、お前はもう辞めろ、と云う西岡議長の主張は、国を憂えればこその正論。亡国政府の元凶、人災首相を倒すべし。だけど、何も参院議長ひとりが刀を取って立ち上がるわけじゃないよなって。

 

議長の言葉が大きな精神的支柱になるにせよ、実際に内閣不信任案提出で菅首相を追いつめるのは野党、そして加勢する与党内の良識派に他ならない。党を超えて大勢の侍が立ち上がり、菅一派と対峙するとき、その先頭に立つのは、やはり最大野党の頭領です。

 

普段は無視も殺さぬような大人しい顔をしているけれど、ひとたび剣を握れば、天下無敵の暴れん坊。ええい、不埒な悪行は、この谷垣貞乃介が、ゆゆ許さーん。覚悟致せ!

 

 

 

 

って、何度も描き直したんだけど、なぜか、今ひとつ迫力が出ない。顔立ちが優し過ぎるんかしら。いざとなると無意識に腰が引けてしまいそう。脈絡もなく、昔懐かしい「あんみつ剣士」なんて名前がふっと頭をよぎったり。

 

ま、いっか。何もこの人ひとりの剣術に頼ろうってわけじゃない。勝負は頭数だ。とにかく味方をひとりでも多く集め、うわあああと斬りかかるしかないと思います。

 

 

 

 

 

 

posted by yohkan at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 菅を斬れ・菅&孫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月28日

パリで馬鹿丸出しの菅!剣豪西岡がばっさり!

OECD記念行事における菅さんの「足るを知れ」演説を聞き、パリの聴衆が失笑したのか、立腹したのか、無視したのか、判然としない。でも余りにも場違いな発言に、一同唖然としたに違いない。

 

そもそも、OECD(経済協力開発機構)の存在意義は、出来る限り経済成長や生活水準の向上を図り、発展途上地域の開発や自由貿易を推進して、世界経済を拡大すること。OECD加盟条約の第1条は、機構の目的をそう定めています。

 

だから総会で、世界経済を牽引すべき大国日本の首相が「足るを知れ」なんて演説することは、信じられないほど不見識且つ非常識。「現状に満足して精神的な豊かさを得よ」と云う意味なら、OECDの趣旨に真っ向から反するし、「身の程をわきまえて、無闇に不満を持つな」と云う意味なら、発展途上の国々から反感を買う挑発行為。どちらにしたって、馬鹿の極みです。

 

最先端の文化文明と豊かな経済力を有するわが国であればこそ、震災の被害を跳ね返し経済成長を確実なものとするヴィジョンを示して欲しかった。誇るべき技術力を生かした原発の安全性向上への決意を力強く宣言して欲しかった。

 

本来、日本の復興特需が世界経済を活性化すると、夢を語るべき晴れ舞台の筈。思いつきの太陽光パネルをごにょごにょ喋って、国際社会の期待を裏切り、世界の人々を失望させ、一体、菅首相は何を得ようと云うのか。

 

西岡議長の言葉通り、「自分に言って聞かせたらどうか。日本の将来を考えると、もういいのではないか。」と云うのが、われわれ日本国民の素直な気持ちです。

 

 

 

 

菅首相の帰国予定はもうすぐ。西岡議長には、へらへらした表情で帰国便のタラップを降りてくる本人の脳天に、正義の一太刀を浴びせるようお願いしたい。

 

ご存知「菅を切れ」シリーズの2作目を作ってみたけど、さすがに剣豪はいい顔をしている。自民も公明も、いや議長のお膝元の民主だって、一緒に立ち上がるサムライが大勢出て来ると思う。内閣不信任案で菅政権を滅多打ち。ううう、面白い!

 

まさにチャンバラ映画の醍醐味です。

 

 

 

 

 

 

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2011年05月19日

西岡の剣が閃く!菅を斬る!

さすがは良識の府、参議院の議長です。西岡氏のひとこと、ひとことは、まさに正論。菅首相は国民のことなんて、ナーンにも考えていない、だから国民に対して本当のことを云わない。そのとおりです。

 

「『急流で馬を乗り換えるな』という言葉があるが、急流を渡れず流されているのであれば、馬を乗り換えなければならない。」

 

ああ、何と含蓄深いお言葉。国家存亡の時、菅じゃ駄目だとはっきり仰ってるじゃないか。西岡議長の発言を聞いていると、連日上がり気味の血圧が、すううっと下がってくる。

 

「戦後最大の国難に菅さんが首相でいることが最大の不幸だと言われているそうですが、その通りでしょうね。」すううっ。

 

「菅さんが5月26、27両日の主要国首脳会議に行って、何を訴えるというんですか? やはりサミット前に不信任案を出すのが常道だと思いますよ。」すううっ。

 

西岡議長は剣豪の役なんか似合いそう。かっては立派なお侍だったのに、お家騒動に巻き込まれ、今は素浪人の身。実は居合い抜きの名人でめっぽう腕は立つが、滅多に剣は抜かない。温厚で優しい。安い飯屋で大好きな酒をちびちびやっては、ニコニコしている。

 

ただし真面目で善良な民百姓が苛められているのを見ると、かっと血相が変わる。正義の血が騒ぐ。長刀をつかんで、すっくと立ち上がる。

 

ここで素直に引き下がらず、「テメエみてえな爺にやられてたまるか」と、生意気にも斬りかかる相手は容赦しない。全身から殺気を放ったかと思った瞬間、剣が閃く。バッサリ!

 

 

 

 

さっと刀から血を払い、かちゃりと鞘に納める。殺気が消えて、いつもの笑顔が戻る。「親父、酒をくれ」

 

さ、政治家の皆さん、不信任案の提出です。次の首相は誰かって?いいじゃありませんか。西岡先生に引き受けて頂きましょう。民百姓のためなら、きっとひと肌脱いでくれますよ。

 

 

 

 

 

 

 

posted by yohkan at 08:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 菅を斬れ・菅&孫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする