新党結成を語る石原閣下の言葉が胸に染みる。そのひとつひとつに深く頷き、気がつけば感涙が頬を伝う。政界における確かな実績と豊かな経験。歴史に学び未来を見通す知性。国際的で現実的な視野の広さ。そして何よりも、ほとばしるような愛国心。まさに理想とすべき政治家が、祖国のために命を懸けてくれる。
さあ、今こそ、わが国を覆う反日敵対勢力との戦いに勝つために、虐げられた日本国民が立ち上がるときだ。立派な民族指導者たる石原閣下を先頭に、われわれ国民があとに続く。目指すは、日本の復興だ。素晴らしき伝統文化と歴史に彩られた、誇るべき真の国体をわが手に取り戻すのだ。
イメージの沸かない人は、旧約聖書の「出エジプト記」を思い浮かべればいい。エジプトの奴隷だったイスラエル人はモーゼに率いられて脱出を図り、約束の地へと向かう。しかし、紅海の淵で、ファラオの軍隊が背後に迫り、絶体絶命のピンチに陥る。そこでモーゼが杖を振り上げると、海が真っ二つに割れ、海底に道が出現する。神に守られたイスラエル人が無事逃げた直後、追っ手の軍勢は荒波に飲まれて海の底深く沈んでしまう。こういう話だ。
もちろん旧約聖書とは設定が違う。われわれが日本列島から逃げるわけじゃない。むしろ日本を日本国民にとって約束の地とすべく、反日敵対勢力を追い出してしまいたい。神に祈れば、日本海や東支那海は真っ二つに割れて、外国人を蹴り出すべき道が出現するだろう。無事、帰国して欲しいものだが、もちろん荒波に飲まれて沈む可能性もある。ま、その時はその時だ。
石原モーゼはいろいろな発言を通じて、彷徨える日本国民に日本国の有るべき姿を示してくれた。自衛隊を国軍とせよ、日米同盟を強化せよ、核保有のシミュレーションをせよ、皇室の男系存続を守れ、国家の会計制度を複式簿記にせよ、等々の有難い教えだ。イスラエルの神がモーゼに与えた「十戒」と同様、日本の神の意志として受け止めたい。
巷では石原閣下に批判的な人々もいるようだが、それはそれで、致し方ないことだ。モーゼに反対し、エジプトで隷属状態の継続を望んだイスラエル人だっていたのだから。しかし、これだけは云いたい。石原閣下の80歳と云う年齢には何の問題もない。モーゼが神のお告げを聞いたのが、ちょうど80歳、約束の地を目の前にして息を引き取ったのは、120歳だった。