十八代目、中村勘三郎さんが亡くなった。享年57歳とはあまりにも早すぎる死だ。小さい頃は可愛くてやんちゃカンクロちゃんだったな。歌舞伎座で観たときは、浮き浮きわくわくするような素敵な芝居だったな。そうやって自分の人生に絡めて思い出すと、とても他人の気がしない。突然の死が信じ難い。悲しい。
人生、何があるかわからないけれど、こっちはこれからもずっとずっと長生きするつもりだ。だから、勘三郎さんも長生きしてますます円熟した演技を見せて欲しい。ファンたる者、皆、そう願っていたのだ。期待を裏切って、勝手に逝っちゃうなよ、と恨めしい。
でも、幸いにして、歌舞伎界には勘三郎さんの子息たちがいる。勘九郎さんと七之助さんは共に若々しくて凛々しくて綺麗な役者だ。彼らが芸を磨いて今より存在感を増し、兄弟のどちらかが、いずれ十九代目、勘三郎を名乗るだろう。もっと遠い将来には、彼らの子供たちが、二十代目勘三郎を襲名すべく、競って精進する筈だ。
われわれファンは、DNAに織り込まれ受け継がれる伝統の芸に目をを見張る。生まれ持っての資質と才能、それに環境や修練が加わって生まれる天才のワザに感動する。先代、先々代を思い出し懐かしみ、当代の演技に熱い声援を送る。先祖から子孫に何代もかけて磨いた歌舞伎を堪能出来るなんて、びっくりするほど贅沢なことだ。
世襲は素晴らしい。役者の子は役者。八百屋の子は八百屋。魚屋の子は魚屋。学者の子は学者。医者の子は医者。これを昔の人は「蛙の子は蛙」と云った。別に蛙になりなさいと強制するわけではない。でも仮に親から子に何か大切なものを継承するなら、周囲はその資質を認め敬意を払い、そして「後押し」してきた。
世襲議員に対し非難がましい声を上げる連中もいるが、政治家の子が政治家で何が悪い。中には政治家の子の立候補を認めるべきではないと主張する馬鹿もいるが、親の職業で子の自由を制限したら、それこそ人権侵害ではないか。われわれ国民にとって、先祖から脈々と政治家の血を受け継ぐ議員さんたちは、大事な宝物だ。DNAに織り込まれた政治力を遺憾なく発揮して、わが国の発展に尽くして欲しい。しっかり応援するから、頑張ってねと思う。

ところで、文章を書きながら気付いたが、勘九郎とタイプすると、何故か「菅苦労」と変換される。総選挙を考えると、うん、そうだよね、とヘンに納得する。ま、そう云うコトで、今日はちょっぴり古い作品を再掲載する。
posted by yohkan at 14:21|
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