昨日の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、日米両政府は共同防衛指針を来年度中に見直すことや、サイバー攻撃への協力強化、2020年代前半の在沖縄米海兵隊のグアム移転などで合意した。各種ニュースで紹介される共同文書の要約にざっと目を通すと、確かにその手の文言が並ぶ。
ところがコレじゃ何を具体的に協議したのか、よくわからない。メディアの取材が突っ込み不足なのか、外務省・防衛省のブリーフィングが大雑把なのか、理由は不明だが、両国の閣僚が握手したくらいの印象しかない。ケリー国務長官が「尖閣は日本の施政下にあり、安保条約5条の適用対象だ」と述べたそうだが、言葉だけで安心出来るような話でもない。
と云うことで、アメリカのニュースを追ってみた。すると、コレが判りやすい。外交や防衛問題については奥歯にモノの挟まったような報道に徹する日本のメディアと異なり、内容がストレートだ。
アメリカの報道によれば、2プラス2で決めた具体的な防衛強化策の目玉はふたつある。ひとつめは東シナ海の尖閣周辺を監視する無人偵察機グローバルホークで、もうひとつは、2基目のXバンドレーダーシステムだ。いずれも在日米軍基地に1年内に配備される。云うまでもなく、前者は支那への効果的な対抗手段だし、後者は北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐ目的だ。コレだけでもわが国の防衛力は格段に高まる。

他にはアメリカ側で関心の高い在沖米海兵隊のグアムなど他アジア地域への移転費用について、予算総額86億ドル(約8600億円)のうち、日本政府が31億ドル(3100億円)を負担する旨、申し出たそうだ。このあたりは、アジアの安定と日本の防衛に寄与しつつ、その一方で防衛費の協力もちゃんと得ていますよと云うアメリカ政府の自国民へのアピールだろう。
安部首相による外交や防衛に関する活躍は目覚しく、民主党政権下で停滞していた日米同盟が漸く活発に機能しだした感が強い。政府はあらゆるメディアを通じ、如何なる成果を上げているか、出来るだけ具体的に判りやすく説明すべきだ。敵国の脅威に晒され、日々心細い思いをする国民が、待ち望んでいる情報なのだから。
posted by yohkan at 10:25|
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