今年の4月、米ワシントンで講演した日銀の白川総裁は「日本人は将来の財政状況への不安から支出を抑制し、それが低成長と緩やかなデフレの一因になっている」と述べた。現実と乖離した頓珍漢な説明だが、民主党政権が消費税増税の拠り所とした主張でもある。デフレ脱却に向け何ら有効策の打てない大馬鹿政府の公式見解と思えば、これも致し方ない。
ところが白川は余計な台詞を付け加えた。「膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えに従えば、制御不能なインフレだ」と述べたのだ。これには居並ぶ米連邦準備理事会のメンバーが仰天した。通貨を大量発行して、デフレ経済への転落回避を図る彼らの政策を真っ向から否定して、お前ら、そのうちインフレ地獄に陥るぞ、と脅したようなものだからだ。
仮にわが国がまともな金融政策を採用し、着々とGDPを拡大中なら、白川が胸を張って自説を披露してもかまわない。しかし、何故かデフレ期に緊縮政策を続け、好んで経済を萎縮させる日本の異常さに国際社会は呆れている。何ら説得力がないどころか、無意味な挑発でバーナンキ議長を激怒させたに違いない。
早速、数日後、バーナンキ議長は記者会見で、大胆な大量緩和策を自画自賛した上で、鼻息も荒くこう述べた。「日本のような悪いデフレ状況には絶対に陥らない!」そう、真っ向から間抜けな白川を否定してみせたのだ。バーナンキ氏も権威ある学者ゆえ、品のない発言はしないが、これがプロレスなら、「白川め、生意気抜かしやがって!ぶっ殺すぞ!コノヤロー!」くらいのマイクパフォーマンスになった筈だ。
実際、米国経済は低調ながらも回復過程にあり、本年度の名目GDPはもちろん、実質GDP推定値でも既に2007年、即ち金融危機以前の水準を上回り、13兆6千億ドルに達する。通貨供給量を危機以前の3倍に増やし、ドル安誘導で輸出を活性化しつつ、毎年2%程度の適度なインフレを維持している。
方やわが国の経済成長率はと見れば、異常な円高でドルベースでは一応堅調に見えるものの、円ベースでは本年度の名目GDP推定値が475兆円と、2007年の513兆円を遥かに下回る体たらくだ。物価水準も今年はかろうじて+−トントンになるかならないかのレベルで、1%のインフレターゲットなんて絵に描いた餅だ。
日米民主党政府の財政政策の違いもあるが、米連銀と日銀の実力差があまりにも大きい。口先だけの通貨供給増で、デフレを放置する白川みたいな脳足りんは、バーナンキ先生の爪の垢でも飲むべきだ。いや、早々にクビにすべきだろう。安倍総裁の打ち出す真っ当なデフレ対策にケチつけるような馬鹿に、中央銀行の独立性もへったくれもあるものか。

白川は2008年当時、参議院で多数野党だった小沢民主党が日銀総裁に推した男だ。平凡で大人しく生真面目そうな印象だが、無闇な緊縮と円高で日本経済に壊滅的な打撃を与え、ひたすら支那や韓国の対外輸出産業に貢献した悪党だ。総裁として不適任だし、民主党政権と共に消え去るべき人物だと思わざるを得ない。
posted by yohkan at 12:39|
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