2014年08月01日

シャッター通りを生んだ田中角栄

前エントリでちょっぴり触れたついでに、田中角栄について書く。

1972年から74年にかけ内閣総理大臣を勤めた田中は、庶民宰相と呼ばれ人気はあったが、所詮は、土木などの利権事業でのし上がった金権政治家だった。首相退陣後、米ロッキード社との癒着が暴かれ逮捕された。

在任中の政策は社会主義的な性格を帯びていた。弱者救済を唱えて競争を排除し、補助金をばらまいた。大都市の繁栄に怨念のような憎悪感情を持ち、都会で絞り取った税金をひたすら田舎に還流させた。


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2014年07月18日

国交省の規制強化を許すな!

規制緩和は消費者に恩恵を与えて経済成長を促す。だからこそ、アベノミクスの第三弾たる成長戦略には数々の規制緩和が盛り込まれた。にもかかわらず、国土交通省はタクシー業界の規制強化を始めた。逆走する官僚の姿は、偽装資本主義国家ニッポンの醜い象徴だ。

小泉改革の参入規制緩和で、タクシーの台数も増えて料金も安くなった。利用し易いワンコインタクシーも登場した。競争が激しくなるに連れ、サービスも向上する。消費者が歓迎した施策を、既得権益層たる大手タクシー会社の要望に従い捻じ曲げる、卑しい役人根性が憎い。


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2014年07月12日

右も左も亡国のマルクス主義だ!

グローバル資本主義が貧困化を招く、新自由主義が格差を広げると騒ぐ連中がいる。国際資本が労働者を搾取すると論じ、アメリカが富を収奪すると喚く。ユダ金が憎いと身悶えする馬鹿までいる。「湯田金」と書けば老舗の温泉旅館か小料理屋みたいだが(笑)、英米資本を操るユダヤ系金融業者の略称だってさ。当のユダヤ人が聞いたら仰天してひっくり返るトンデモ陰謀論だ。

かって間抜けな陰謀論を唱えるのは左翼と相場が決まっていた。旧ソ連を祖国と崇めて反米感情に燃え、世界同時革命を夢見る共産主義者たちだった。悲しいかな、今や、右翼までがコレに同調する。日本の伝統を守れとか、天皇陛下万歳とか、それらしい台詞を散りばめて保守派や民族派を装うが、主張の根底にはあるのはマルクス主義だ。


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2014年06月27日

進め、安部総理!回せ、ドリル!

先月、ロンドンの金融街で講演し、安部総理はこう宣言して対日直接投資を呼びかけた。「私自身がドリルになって岩盤規制を打ち砕きます」「日本市場をオープンにするため、ドリルは最高速度で回転しています」さらに付け加えた。「このドリルから誰も逃げることはできません」

力強い言葉通り、一昨日閣議決定された骨太の方針、新成長戦略、規制改革実施計画に、構造改革に賭ける安部政権の本気度が滲む。雇用規制の緩和、農協の改革、混合診療の拡大など、改革を拒んできた既得権益層と対峙する勇ましい姿に万雷の拍手を送りたい。


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2014年06月11日

混合診療「私、失敗しないので」

政府の産業競争力会議が、月末に閣議決定する新成長戦略のひとつとして、混合診療の拡大方針を示した。農業や雇用では、農協や労働組合、所管官庁の役人や族議員の執拗な抵抗で構造改革が遅れる中、医療分野における前進は喜ばしい。

そもそもこれまで、保険診療と自由診療の併用を禁じてきたことが異常だったのだ。保険料を払う以上は保険のメリットを享受しつつ、いざとなれば症状に応じ、自己負担で追加サービスを得て何が悪い。混合診療を選ぶからと云って、患者が保険給付を拒絶される謂れはない。


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2014年06月09日

戦時経済体制が日本人の価値観?

明治維新以降、わが国は驚異的な経済発展を遂げた。当時はGDPも経済成長率も考え方自体がなかったから、数値をあげるのは無理だが、戦後の高度成長を遥かに凌ぐ勢いだった。東洋の小さな島国は、あっと云う間に五大国のひとつにのし上がった。

明治大正期の経済システムはまさに古典的自由主義で、当時の先進国たる英米と何ら変わることのない典型的な資本主義社会だった。低い関税率で自由貿易を促進して国を富ませ、国民の生活水準を向上させた。労働市場は職種別で流動的だった。企業は株式市場で資本を調達し、メインバンクに縛り付けられることはなかった。人々は自由と繁栄を謳歌した。

この素晴らしき自由経済体制をぶち壊したのが、大恐慌以降に暴走した軍部だ。226や515事件などテロリスト将校の蜂起を経て、スターリン型の共産思想にかぶれた軍人どもが台頭し、総力戦を前提にした全体主義で国民を縛り付けた。


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2014年06月07日

竹中教授の説く「独立自尊」

竹中平蔵氏は当代随一の経済学者だ。小泉政権で経済財政政策担当大臣・金融担当大臣・総務大臣として構造改革と景気浮揚を主導した経験も踏まえ、日本経済の抱える病根を暴き、現実的な処方箋を示せる実力者だ。安部首相直轄の産業競争力会議の民間議員として、建設的な提言をされている。

ところがネットの世界では、竹中教授の評判は決して芳しくない。既得権益の消失を恐れる抵抗勢力が、数々の評論家や電波芸人を使って荒唐無稽な竹中批判を煽る。教授の正論を封殺しようと、凄まじい罵詈雑言と誹謗中傷の集中砲火を浴びせる。

急先鋒はM氏と呼ぶ胡散臭い経済評論家で、あろうことか、竹中教授を売国奴と罵る。自由貿易や市場経済を否定するところから察し、M氏は典型的な国家社会主義者なのだろうが、こんなヘンな奴に、ねちねち絡まれる教授が気の毒でならない。相手が学者ですらないから、学問的な議論も成り立たない。


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ラベル:竹中平蔵
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2014年05月28日

残業代の見直しは当然だ!

政府の産業競争力会議が雇用規制緩和を打ち出す。残業代の見直しもそのひとつで、内容は第一次安部内閣で提唱したホワイトカラーエグゼンプションと酷似する。元々、残業代は単純労働のブルーカラー向けだ。労働時間と成果の関連性がないホワイトカラーの場合、同様に扱える筈がない。

実際、業務時間内に仕事をこなせるか否か、個人の能力に拠るところが大きい。早い人が昼頃で終わる仕事を、遅い人は夜中までかかっても出来ない。ぐずぐずしているだけで割増し賃金が加算されるシステムはおかしい。単なる残業代稼ぎで長時間労働する人も出てきてしまう。


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2014年05月24日

新自由主義で何が悪い?

市場を見えない神の手に委ねよと、アダムスミスが18世紀に説いた古典的自由主義は、19世紀末から20世紀初頭、恐慌や貧困問題に直面するや信憑性を失った。神の手もロクなもんじゃない、そう唱えて登場したのが、マルクスの社会主義とケインズの修正資本主義だ。

前者は、個人の自由を抑圧し市場経済を否定する共産独裁国家を生んだ。後者は金利調整と公共事業による経済運営術を提唱し、市場への政府介入を勧めたから、官僚支配は強まったが、それなりに機能した。ソ連崩壊でマルクスの名が地に堕ちる一方、ケインズが今も称えられる所以だ。

と云っても、ケインズ流経済にも欠陥があった。何もかも政府がやるから行政機構が肥大化する。国民が政府に甘えて福祉が膨れ上がる。莫大な財政赤字の原因だ。しかも役人が規制で市場を縛り付けるから、新しい価値や富の創造を阻害する。非効率と腐敗がまかり通り、貴族化した官僚と一部の既得権積層だけが利益を得る構図だ。

そこで生まれたのが、新自由主義だ。ハイエクやフリードマンなど学者の提唱する理論は個々に異なるし、定義するのは難しい。しかし修正資本主義政策の欠点を修正すべきとの主張は明快だ。


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ラベル:新自由主義
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2014年05月18日

「5月に売れ」、いや売らない!

このところ株式ニュースなどで、「5月に売れ」の文字が踊る。古くからある米国相場の諺で、「Sell in May and go away」。5月には持ち株を処分して相場を休め、との意味合いだ。

1950年以来のダウジョーンズ株価推移を見ると、5月-10月の平均変動率は僅かに+0.3%しかない。反対に、11月-4月は+7.5%の上昇を示す。つまり歴史的に見れば、5月に売って、また11月に買えば、安定的な利益が生めるだろうと云う見方だ。

但し、過去の変動率がどれだけの意味を持つか、アメリカでも懐疑的に見る人が多い。毎年の景気トレンドは違うし市場環境や税制も変化する。そもそもダウ平均がどっちに動こうと、個別の株が儲かる儲からないは別次元の話だ。


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posted by yohkan at 09:24| Comment(18) | TrackBack(1) | 投資・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする