ふむふむ、世の中にはこんなお宝があるのかと感心し、赤の他人のモノなのに、なぜか少し豊かな気持ちになって、番組が終わると寝る。
ところがたまたま昨晩は、あとに続く「ガイアの夜明け」を観た。下町ボブスレー騒動を扱う番組を観たのは、2週間付き合った平昌五輪に刺激されちゃったからだ。
ご存知の通り、東京・大田区の町工場が製作し無償提供するボブスレーに関し、ジャマイカ代表は使用契約を結びながら、五輪直前に採用不可とした。
誇るべき職人芸を世界を発信するために開発した優秀な製品なのに、ジャマイカ側に窺い知れぬ裏事情があったのだと、番組は解説する。
異なる条件下における競合製品との比較テストで、性能劣位と決めつけられ、また、ジャマイカのコーチが他社製品と深く関わっていたと、大田区関係者の恨み節を紹介する。
番組の最後は、町工場の連中がジャマイカチームの契約不履行をなじる素振りも見せず、わざわざ平昌まで出向いて相手を応援する間抜けな姿で締めくくる。
で、早い話、「下町の職人たちの技術力や善意が、世界になかなか伝わらない」と云う結論と受け止めたが、だからどうした?と、頭の中が疑問符で一杯になった。
職人こそが家内工業の担い手だった江戸時代ならいざ知らず、今更「職人芸」など、世界が認めなきゃいけないほどのモノなのか?

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