跳ね上がりの軍人や革新官僚は、ナチスドイツの国家社会主義を真似た。ソ連誕生から間もない当時は、共産主義に憧れる知識人や庶民も多かった。日本はすんなりと全体主義の色彩に染まった。
翼賛体制は戦後も脈々と生き続けた。進駐軍は日本軍の解体に心血を注ぎ、二度と戦えない憲法まで押し付けながら、官僚を見くびって、彼らが日本社会を統制するシステムを放置したからだ。
軍が消失した戦後日本社会で、官僚は独裁者となった。表面的には資本主義を装いながら、戦災復興と成長を名目に、役人は市場の隅々まで支配する国家社会主義体制を完成した。
この体制下の企業は、自由な経済主体に成り得ない。意思決定権を国家に奪われた、全体組織構成上のユニットでしかない。官僚が線引きする限られた市場で、雁字搦めのルールに縛られてもがく。
惨めなのはより小さな単位である会社員だ。長期雇用や給与や福利厚生の代償として、長時間労働を余儀なくされ、休暇取得も許されず、行動や思考の自由を失い、生命力を腐らせる様は家畜同様だ。
官僚独裁国家たる日本に、伸び伸びとした自由市場は存在しない。「社畜」と化した人々はひたすら己を空しくして体制を支えつつ、個々の企業に埋没する。あらがえば戦時翼賛体制下の非国民となってしまう。

しかし、家畜が、いや社畜が、檻や鎖から放たれる日が確実に近づいているようだ。奴隷が自由人になれるチャンスが眼前に広がる。
グローバル社会は日本型翼賛体制や社畜制度の存続など許さない。わが国が古い衣を脱ぎ捨てるため、そして、再び成長路線に戻るため、経済の国際化に相応しい形で、安倍政権による法改正が進む。
11日に成立した派遣法改正もその1ステップだ。就職は企業に人生を売り飛ばすことではなく、個人が自由意志で柔軟に役務や時間を提供し、適正な対価を求める事との認識が広がるだろう。
ソレは企業にとっても、国家の圧力からの解放を意味する。過大な経費負担に耐えて、各社員の人生を抱え込む必要などない。時々のビジネスニーズに応じて、適宜、抱えるべき労働力を調整すればいいのだ。
もちろん、旧体制の崩壊に危機感を持つ人もいる。自然界に放り出される家畜同様、不気味な怯えを覚える社畜がいても不思議はない。
心配するな。翼賛体制が生まれる以前のわが国は、欧米同様の資本主義国家として存分に機能し、豊かで自由な社会を享受していた。その時「社畜」と呼ぶべき奴隷は存在しなかったし、企業の活動を制約する足枷など無かったのだから。
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ご指摘全くその通りで、激しく同意します。
消費税10%時の軽減税率は結構なことですが、そのやり方が如何にも大蔵・財務省的発想で、面倒くさい還付方式を採用させて、漏れを期待値として織り込んで、増税財源確保を狙ってますね。
こんなもん、酒類を除いて食品は全部8%のままで据え置くのが最も簡便で、分かり易く、後日の還付作業もいりません。
官僚ってこういう風に国民生活を豊かにの哲学を忘れて、省益しか考えない「官畜」です。
この官僚システムをぶっ壊さないと日本の活力は戻りませんね。
社畜云々は置き、官僚支配の件。
木曜だったか、BSフジのプライムニュースに、久しぶりに石原御大が堺屋太一氏と出演されてました。
御大の役人直撃砲は、衰えを見せぬ切れ味で連射されておりましたぞ(笑)
神奈川、東京の都県境辺りで救急車が出動しても、その救急車の所属する都県側にしか搬送できないとか。
この辺、安倍総理もゆくゆくは着手して欲しいところです。
社畜って、7‐80年代あたりのサラリーマンとかによく言われていたように思いますが、60年代のサラリーマン映画の大ヒット作、植木等の無責任男シリーズなんて大好きでしたよ。
♪そ〜のうち何とか、な〜るだろう〜♪
財務省が言い出した消費税の還付金、年に4000円とは何を考えているのだか。そもそも一般国民の消費行動に関するデータ把握を前提にしていることが、異常です。役人の馬鹿さ加減がよく分かります。
>この官僚システムをぶっ壊さないと日本の活力は戻りませんね。
そのとおりです。官僚独裁の国家社会主義が通用する時代じゃありません。
ほほう、石原御大が、官僚どもをぶった斬ってくれましたか。早速、プライムニュースを見なくっちゃ。
あたしも好きでしたよ、無責任シリーズ。無責任だよ、無責任、って高笑いする植木等の顔が浮かびます。平均(たいらひとし)は社畜風じゃなかったですね。
何と申していいのか・・・戦後の日本人は世界最貧国の中で必死になって働いてきたのに、最近ではブラック企業というのも出てくるありさまです。今までは会社の利益は労働者に還元されていいたのが、人間が「使い捨て」になっていること。
どんな企業があるといえば・・・本当に日本の企業?と思います。
かつては社員も仕事は苦しくても家族のように扱っていたのですが、
「お家さん」は鈴木商店のきりもりをする女将の物語、そして「海賊と呼ばれた男」は終戦後、必死になって働く社員の話で、それも日本の国益となるようにでした。
今ではそうではない・・・私は音楽の世界なのですが、世界的にも演出家や勝手な指揮者、劇場支配人らの中で「社畜」ならぬ「芸畜」のような扱いを受けている人をまじかに見てきました。
誇りまで奪うのに耐えている、これって芸術ではない、と気づかぬのか「修業」「苦行」というレヴェルではないのに。
幸い私はそういうは拒否してきましたが。
真面目な人ほどうつ病になったりするのですよね・・・。
(私はラテン系気質なので、そういうところには無縁でしたが)
日本の良き制度は、アメリカなどに倣わず、守り通すべきでした。
seesaa1824さん、こんにちは
seesaa1824さんご案内のフジTVプライムニュース拝見しました。
御大もさることながら、堺屋氏の官僚が作った日本人の一生計画には成程と納得しました。
言わば、「生れて、小中高大と学校へ行き、卒業後ブラブラしないで直ぐに就職して働き(所得税や健康保険料をを払う)、年金に加入し、結婚資金を貯める。溜まったら、結婚して子供を作る一方、自宅購入資金と学費を貯めて、仕事に励む。子供を教育しながら仕事に励み、定年を迎える。定年後は年金生活で老後を送る。(死んだら、相続税を払ってもらって、人生の終焉)」
という様な官僚が作った日本人の人生プランを只管全員が皆が歩んで来たと。
敗戦し、国土が焼野原になった日本を復活するには官僚の力が必要だったと思いますが、高度成長の末期にはその役割を終えて、国防、外交などに特化するコンパクトな組織が求められる筈が、GDPの拡大を良いことに、予算=金を潤沢に担保し、権力=通達の権利を温存させ、最大・最強の組織を守るということが官僚の最大の使命になっています。
考えると怒りが込み上げてきます!
ですから、小泉改革は道半ばでしたので、安倍総理は安保法案が可決されたら、経済と先ずはプライマリーバランスを均衡させる為に行政・財政改革を断行して戴きたいです。
日本の派遣会社パソナも何だか合法的な人身売買の奴隷の様でしっくりきません。
アメリカでは、パソナの様な派遣斡旋業が有るんですか?
このピンハネ的なるものが合法的なモノであろうと今一つ気に食わない。
何かそれに代わるものが無いのだろうか?
韓酷では、40代で会社を辞めなければいけないようですが、多くは何らかの個人営業をして失敗しているケースが多いようです。
恐らく日本も使われるより店を持って商売しようとして失敗するケースが出ると思う。
日本では、言葉上個人のスキル云々を言われますが、役に立たない事が多いように思います。
多くの人間は、使い捨て的な環境に置かれるのではないでしょうか?
日本では、階級社会で有った武士の時代から年功序列的な家臣として今で言う社畜の様な形態で来たように思います。
日米では、農耕型民族と狩猟型民族の違いが、有るように思います。
日本は、日本なりに有るべき姿を追求すべきでいたずらに欧米がそうだから日本もと言う成り立ちは無理がある様に思います。
ただ会社形態は、欧米的な給料体系になっていますので、徐々に考えが変わってくると思いますが、日本にしっくりくるシステムで有れば、良いと思いますが、壊されそうな気がします。
そのよい例が国民皆保険が、壊れると思われます。
アメリカは、何でも我流が良いとばかり強引に日本のシステムを壊しに来ます。
TPPは、確実にその走りで有りアメリカ流の動きが出来なければ提訴ですよ。
それで日本は、敗訴して日本のシステムと国自体が、破壊されしまう。
こう言うストーリーでしょう。ワンワールドとは。
国の概念を壊して行くことが、アメリカ金融資本の狙いでしょう。
社畜は悲しい。もっとも悲しいのは、生きる本能を失うところですね。檻の中で、与えられる餌にしがみつくだけになっちゃいます。
そして生きる力を失った弱者ゆえに、理不尽な働き方を求める不届き者も出てくるのでしょう。ブラック企業、嫌な言葉ですね。
ほほう、「芸畜」なんて言葉があるのですか。美しさや華やかさの裏側に、厳しい世界があるとは聞いてましたが・・・
仰る通り、日本型年功序列の人事管理には、いいところもあるのでしょう。
でも、別にアメリカに倣ったとか、ではなく、時代や社会環境とともに変化させざるを得なかったのではないでしょうか。
翼賛体制下では、個人を如何に国家総動員体制に組み入れ効率的に利用するか、すべての発想はそこがポイントなのでしょう。軍部が消滅した戦後日本で、官僚どもが絶対権力者となり、翼賛体制を継続した。全国民にその「人生プラン」とやらを押し付けてきたのです。
ちなみに官僚は焼け野原からの復活云々ではなくて、むしろ軍部と結託して、焼け野原にした責任があると思いますよ。
行政改革を進めてほしいですが、何しろ、官僚は最大の権力者にして既得権益層ですからね。安部さんに是非注意として取り組んで頂き度いです。
人材派遣業のどこが人身売買やピンハネになるのですか?ニーズのある企業に一時的な働き手を斡旋する。立派なビジネスじゃありませんか。もちろんアメリカにも人材派遣業はありますよ。
ご指摘のとおり、武士の時代から年功序列的な社畜的制度はありましたね。外の社会への横移動を許さないのだから、組織の内側でしかマトモに生きられない仕組みでした。恐ろしいことに武家社会だけではなく、農工商も似たようなものだった。そこに封建社会たる閉塞性を感じますね。
アメリカが日本を壊す?米金融資本によるワンワールド??陰謀論としては面白いかも知れませんが、失礼ながら、ソレってある種の被害妄想的発想ではないでしょうか。