2013年11月25日

美しい青年将校を演じた三島由紀夫!

戦前の軍部には、共産主義を妄信する将校達がいた。1931年の三月事件、十月事件は、陸軍将校が引き起した国家転覆クーデター未遂事件だ。翌1932年の515事件では、海軍将校が犬養毅首相を暗殺した。1936年の226事件は、皇道派の陸軍将校が1500名近い兵を引き連れて閣僚を襲い、警視庁、参謀本部や東京朝日新聞を占拠した。

世界的な大恐慌の煽りで失業が蔓延し、わが国の貧困層が喘ぐ一方で、社会主義革命を経たソ連が一時的に輝いて見えた時期ではあれ、こうした革命ゴッコに興じるテロ軍人を賛美するのは正気の沙汰ではない。しかし、当時の世論は青年将校に同情し、その偽りの正義を称えて英雄視した。

1925年に生まれた三島由紀夫氏も、青年将校を英雄視したひとりだ。226事件発生時に僅か11歳でしかないが、早熟の天才と呼ばれた氏にとって、一連のテロ事件は人格形成上の一大事であったに違いない。聡明な人物ゆえ、共産思想の噓と堕落を見破るのは容易だったろうが、殺伐とした暗い社会に颯爽と登場し、日本刀を振るう若い将校達のカッコ良さ(?)に少年三島は魅せられたのではないか。


mishima yukio's death.jpg


三島由紀夫氏は43年前、軍服に身を包んで自衛隊に突撃したが、クーデターと呼ぶにはあまりに唐突でお粗末過ぎた。本人は、少年時代に憧れた、美しい青年将校を生身で演じてみたかったのだ。割腹して果てたのは、小説や戯曲を超える創作活動であり、唯美的な芸術表現だ。単なるお芝居ではあるが、文字通り、命を賭けた熱演だった。

三島由紀夫の人生を描いた、1985年の日米合作映画 ”Mishima: A Life in Four Chapters"は、製作総指揮をフランシスコッポラ、ジョージルーカスが務め、緒形拳が主演した傑作だが、わが国では未公開のまま、幻の作品となっている。右翼の執拗な反対で公開出来ないらしい。国家社会主義思想に侵された右翼、即ち左翼モドキって、ホントに面倒くさい連中だなと思う。




posted by yohkan at 13:20| Comment(19) | TrackBack(0) | 指定なし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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edwalker
To: yohkanさん。

今日はうれしい・・・っとと三島由紀夫氏の落命の日
取り上げていただいてありがとうございます。

渋谷駅でニュースを聞き、家に帰ると自決してました。

あたしの特許は、三島由紀夫氏の文章読本をソフトウエアプログラム化したもので、とっても尊敬している人物の一人です。古来よりこれだけ日本文章を解明できた人はいないと思っています。バイブルですよ。

残念ながらもうお話しを聞く事もかないませんが、日本人が忘れてならない偉人だと思います。ノーベル賞を貰うはずだったが、左翼のクソどもが「クネ」みたいなことをしたせいで、川端康成に変更されたというのは有名な話でしたね。

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Posted by edwalker at 2013年11月25日 14:54
yohkan さん、

社会に出て5−6年生、20代後半の若者でした。当日、仕事で霞ヶ関の通産省のビルに行き、帰りにタクシーで警視庁当たりを走っている時に、ラジオのニュースで知りました。何故か晴れた秋の青空を強烈に憶えています。

三島氏と介錯した青年の胴体と首が新聞に出ていましたね?
Posted by seesaa1824 at 2013年11月25日 15:33
To edwalkerさん こんにちわ

あれから43年、月日の経つのは早いですね。

えええ!三島由起夫氏の文章読本をプログラム化されたのですか。すす凄い!

三島さんこそ、世界に誇るべき日本文学界の巨人ですね。ノーベル賞獲得すべきだったのに、川端康成なんぞに変更され本当に残念でした。右翼連中が民族主義者として三島氏を持ち上げるのを見てると、何か違うぞと感じざるを得ません。三島氏は徹頭徹尾、アーティストです。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 16:06
To seesaa1824さん こんにちわ

自分にとってどんな日だったか思い出せませんが、三島自決のニュースだけは強烈に記憶しています。

三島氏と森田氏の首が並んで写真に撮られてましたね。朝日か読売の1面を飾っていました。とにかく衝撃的でした。頭をぶん殴られたようなショックを受けました。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 16:10
yohkan様、こんにちは。

>1985年の日米合作映画 ”Mishima: A Life in Four Chapters"が未公開

こちらの方が大問題でしょう。日本に「言論の自由」
はないのか!! と言いたいところですね。左翼映画に反対すると、マスゴミがこぞって叩くくせに‥
Posted by ブリンデン at 2013年11月25日 16:23
To ブリンデンさん こんにちわ

正直なところ、Mishima: A Life in Four Chaptersが未公開である理由がさっぱり分りません。CDやDVDですら、日本国内では販売されていないとか。何かがおかしいですね。

三島由紀夫ファン、日本文学のファンにとっては必見の素敵な映画だと思います。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 16:26
三島由紀夫の本は、潮騒と美しい星しか読んでいない。
だから思想面に触れた本は、全く読んでいない。
前者は、純文学であり後者は、失敗作と言われたSFである。
当時UFOが、盛んに取り上げていた。
特に日テレの矢追純一のUFOは、有名。
Posted by katachi at 2013年11月25日 18:25
Yohkanさん、こんにちは

猪木・猪瀬の乱闘から、第二楽章の様に打って変わって静かな知的なエントリーですね。

仰る通り「国家社会主義思想に侵された右翼、即ち左翼モドキって、ホントに面倒くさい連中」で、こういう連中と同穴なのが日教組、マスゴミですね。

アベノミックスを成功に導くのは色々な改革が必要であるのは言うまでもありませんが、私が考える最大の改革は「国民の意識改革」ではないかと思いますね。

先ず、雰囲気に流される、世界の常識や出来事に全く無関心、自分の頭で問題を租借ぜす、考えもせず、マスごみが世論・正論だと錯覚するノー天気で、そして朝日新聞は嘘は言わない、TVも事実を報道すると何も疑わない多くの国民の意識を普通に正常化することが先決であると確信します。

サム(総和,GDP)を大きくして行く(成長する)には、世代交代や栄枯盛衰は付き物です。それをチャレンジして、乗り越えて行くところに、発展と成功があると思います。

何が何でも古いものを護るのではなく、チャレンジしながらその過程で存在感を持つ古き佳きものを残せば良いのです。ダメな農家は淘汰されるのは、残念ですが仕方ありません。それが動物でもある人間の掟でしょう。






Posted by tropicasso at 2013年11月25日 19:33
yohkan様、こんにちは。

ご紹介いただいた映画ですが、現在は日本でもAmazon.com経由で輸入盤が購入可能なようです。

それから自衛隊のフィリピン国際緊急援助活動ですが、防衛省および各自衛隊がFacebookなどで積極的に活動状況を公表しています。
ご参考までに‥
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.696870280330962.1073741867.265075920177069&type=3
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.633442880050767.1073741917.161912430537150&type=3
Posted by ブリンデン at 2013年11月25日 20:23
こんばんは。

三島由紀夫氏が自決されて43年の命日。
日本を代表する作家だと伝えなければならないのに
左翼のゴミ共のせいで異端児扱いされるのがもどかしいです。

昭和の元号と同じだから健在であれば米寿(88歳)です。

自分が生まれる2年前の出来事ですが
陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で「楯の会」の軍服に身をまとっての
クーデター決起演説の映像見たときは鮮烈でした。
Posted by hirotaku-72 at 2013年11月25日 21:42
To katachiさん こんばんわ

三島由紀夫の本はいろいろ読みましたが、「美しい星」は未読です。三島流SFって興味が湧きますね。

三島氏は常に世間の話題を取り入れた小説を発表し、流行作家で有り続けましたね。そうそう、矢追準一のUFO番組、懐かしいです。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 23:18
To tropicassoさん こんばんわ

三島氏を神様と崇め奉る右翼連中は、民族派を名乗りつつも国家社会主義を標榜する左翼なんですよね。で、戦前の全体主義体制に憧れ、自由主義を否定することを保守だと勘違いしてるようです。今でも頭の中は鬼畜米英なんでしょうw

ご指摘の通り、国民が意識を変えて、新しい挑戦をしていくから、国も成長するのですよね。それは国民個々の挑戦であるべきで、国や役人どもがごちゃごちゃヌカすことではないと信じます。

ゾンビ農家や農協が潰れるのはとてもいいことです。そうしなきゃ、新しい農業は成長しません。


Posted by yohkan at 2013年11月25日 23:26
To ブリンデンさん こんばんわ

おお、Mishima:A Lifeは、amazonで輸入盤が購入可能でしたか。是非、皆さんにお勧めしたいです。

自衛隊の大活躍に頭が下がりますね。自決前の三島さんは「君たちは国軍になるチャンスをうしなったんぞ!」と叫びましたっけ。早く自衛隊を国軍にしたいものです。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 23:39
To hirotaku-72さん こんばんわ

まさに日本が誇る世界的な作家なのに、左翼も右翼も三島氏晩年の政治思想を取り上げるばかりで、文学者であることを忘れていますね。命懸けではあったにせよ、「楯の会」とその行動が、三島氏一流のお遊びであったことに、なぜ気付かないのか、理解できません。

市ヶ谷駐屯地での演説は鮮烈でした。切腹後、首だけが床に座っている写真はもっと鮮烈でした。よくあんな写真が新聞の一面に出たなと、思い出します。今なら報道コードに引っ掛かったかも。
Posted by yohkan at 2013年11月25日 23:46
こんばんは、yohkan様。
以前、芸術において傑作と言われる作品は全て、性的魅力を内包している。…と読んだことがあります。その言葉を、今回の作品を見て思い出しました。
旭日旗の中の殉教者のような三島。
全体の色彩もモチーフもどこかセクシャルでありながら、同時に三島の孤高の理想を感じさせます。
大変に素晴らしい絵だと思います。
三島が生きていたら、この絵を喜んだのではないでしょうか。
私はyohkan様とは、新自由主義や婚外子では残念ながら意見が合いませんが、優れた絵を描く方はやはり尊敬します。
これからも更新されるのを楽しみにお待ちしています。( ´ ▽ ` )ノ
Posted by fukupon at 2013年11月26日 02:04
To fukuponさん おはようございます

お言葉、本当にありがとうございます。過分のお褒めを頂き、照れちゃいます。

あたし、三島由紀夫の作品が大好きなんです。人生を賭けた芸術活動を通じ、美や愛を追求した人ですね。自決もその活動のひとつだと思います。民族派と呼ぶ右翼連中が三島氏を祀り上げるのは、違和感を覚えるし、正直云って不快です。

この絵、三島先生に褒めて頂けますかね?何でエロス像なんぞ出てくるのだと怒られちゃうかも。でも、死に方にとてもエロチックでセクシュアルなものを感じちゃうのですよ。ご本人は死んで神になりたかったのでなく、肉体を爆発させたかったような気がします。美しい肉体で死のうと思えば、45歳が限界だったのでしょう。
Posted by yohkan at 2013年11月26日 05:46
yohkan様

今日の画はうつくしいですね。じっと魅入ってしまいました。

そんな内容と全然違って申し訳ないのですが、ちょっと面白い記事があったのでコピペします。
「特定秘密」について内容を精査していないので、何が正しいかわからないのですが、これを見ると・・なんとなくわかったような。

http://news.ameba.jp/20131125-494/
Posted by meganetk at 2013年11月27日 13:12
To megateckさん こんばんわ

ありがとうございます。天才・三島由紀夫の妖しい世界を表現してみたかったんです。

特定秘密について、僅か3年前に新聞各紙が随分勝手なコト書いていたのですね。今とまるで正反対な意見だったとは!笑っちゃいました。
Posted by yohkan at 2013年11月27日 15:25
Posted by efpvyrmf at 2020年09月04日 17:55
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