小沢被告に対する控訴が決まった。本人は「控訴は理解に苦しむ」なんて云ってるが、ちゃんちゃらおかしい。あれも嘘だ、これも疑わしい、と真っ黒な事実認定を積み重ねながら、でも無罪ね、と最後にうっちゃった先日の判決文こそが、国民にとって「理解に苦しむ」内容だったのだ。控訴と聞いて驚くと云うより、むしろ当然だと納得する。
もちろん小沢被告にとってはショックだろう。完全犯罪成立でほくそ笑んだのもつかの間、今度は高裁で審理が続くのだから。メディアが報じた写真では、特大サイズのマスクで表情は見えないが、体中から寂しげなオーラを発していて迫力がない。
でも控訴決定で一番ショックを受けたのは、小沢の熱心な支持者に違いない。ひたすら無実だ、無実だと目を血走らせて叫んできた小沢真理教の信者にとって、教祖の無罪判決はまさに干天の慈雨だった。嬉しさの余り気でも狂ったか、小沢総理なんて有り得ぬ夢まで語り乱舞していた。ぬか喜びだった。
それにしても小沢信者は、なぜあそこまで無茶苦茶な説を展開するのか。冤罪とか政治弾圧とか国策捜査なんて言葉が一体どこから出てくるのか、さっぱり理解できない。検察の背後にはアメリカがいるとか、CIAの陰謀だとか。さらにはフリーメイソンだ、イルミナティだと妄想を膨らませる。ユダヤ国際金融資本の罠だと喚き、影の世界政府(?)と戦う正義の男として小沢を祭り上げる。荒唐無稽さは漫画レベルだ。呆れてモノが云えない。
小沢の資金管理団体「陸山会」には蓄財疑惑がある。その団体が小沢から出所不明の4億円を借り入れて不正処理をした。不動産売買については時期を操作して収支報告に嘘を記載した。これで秘書が有罪になった。秘書の報告を受けて承認した大親分が無罪で逃げ切れるわけがない。CIAもフリーメイソンもユダヤ国際資本も全然関係がない。と云うか、向こうは小沢ごとき単なる悪党を相手にしていない。
チンピラの傷害事件で組長が有罪になる時代だ。直接手を下さなかったオーム真理教の麻原彰晃だって死刑になったのだ。検察役の弁護士さんたちは社会正義を貫くために頑張って欲しい。これが日本国民の声だ。