荒れ狂う波が町や村を襲い、暴れる大地が裂けて暮らしを飲みこんだ。吠える風が止み、暴れる海が凪いだとき、見知らぬ荒野が眼前に広がった。
愛する人を失った者は、呆然として佇み、天を仰いだ。悲しみに打ちひしがれ、涙が枯れるほど泣いたろう。悶え苦しみ、運命を呪ったろう。
でも、絶望することはない。あの日を境に会えなくなった人々は、今もこの宇宙に生きている。目をつむれば会える。耳を澄ませば声が聞こえる。ふと気付けば、貴方に寄り添う影がある。
3月11日は愛する人を思う日だ。心のメッセージはあの人の胸に届く。時間も空間も飛び越した銀河の果てで、いつかはきっと再会できる。