戦後一貫して、自衛隊は日陰の存在だった。マスコミは自衛隊を否定する平和運動や反基地デモの報道だけを垂れ流し、人殺しと呼んで自衛官を侮辱した。歴代政府は占領憲法を破棄・改正しようともせず、なすべき法整備を忘れ、自衛隊は軍隊モドキの地位に押しとどめた。日本を他国の侵略や災害から守ってくれたのは自衛隊なのに、誰も感謝の言葉ひとつ発することはなかった。
これじゃいけないと防衛省は悟ったのだろう。われらの存在を身近に親しみ易く国民に感じさせよう。あるいはより多くの隊員募集のため、自衛隊の存在意義を世間に知らしめ、若者に好感を持ってもらおう、と決意したのだろう。そこで英国の人気特撮人形劇「サンダーバード」とのコラボを考えた。
サンダーバードと自衛隊のコラボポスターはよく出来ている。コレを見て、ハイテク兵器を駆使して国際貢献のチャンスありと知り、よしやってみよう!と思う若者たちが沢山居るかも知れない。しかし、普通の国なら、自分の国を自分の手で守りたいと思い、青年たちが志願する。誰だって我が子を戦場に送りたくはないが、お国のためと覚悟を決めるから徴兵制度が成り立つ。軍人募集広告に漫画みたいな操り人形を使うなんて思いもつかない。
サンダーバードとのコラボで自衛隊への注目度をアップするだけでなく、日本国民の国防に対する意識の低さに警鐘を鳴らしたのなら、小野寺防衛大臣はなかなかやる男だと思う。自衛隊を1日も早くリアルな軍隊、即ち「国防軍」に昇格させたい。
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