アベノミクスは3本の矢だ。財政政策、金融政策、成長戦略を束ねて強靭な経済を生む。いいじゃないかと思う。毛利元就の3本の矢と同じで、それぞれがバラバラでは強みを発揮できない。兄弟3人が一致協力し、総合力で日本経済を引っ張るのだと聞けば、こちらも素直に納得出来る。
但し、ホントに3本の矢が束ねられるのか、そこに不安がある。金融政策を預かる日本銀行には協力姿勢が見えないからだ。昨日発表された政府・日銀の共同声明「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための云々」を読んでも、役人風の作文で世間の目を誤魔化す感が否めない。
そもそも安倍政権発足時、日銀による無制限の資産買取などで通貨供給量をどかんと増やす方針が示された筈だ。そうか、欧米の金融緩和大作戦に歩調を合わせるのか、大胆な財政出動を断行するのか、と世界が日本の復活に期待した。クルーグマン教授をはじめ、世界的な経済学の大先生たちがこぞって激賞した。
にもかかわらず、共同声明で明らかになったのは、資産買取は無制限ではなくて無期限。しかも今年は何もせず、2014年から資産買取基金をちょっぴり10兆円程度増やしますよ、と云ってるだけだ。しかも物価目標2%なる文言は入れたが、期限すら定めず、そもそも成り行きで上昇しそうなエネルギー価格も含むコアCPIを論じている。日銀側にやる気のないのが丸分かりだ。
日銀は緩和のフリだけで何もせず、政府は勝手に財政出動でも成長戦略でもやりやがれと、そっぽを向いたに等しい。まさに昨年春に発表した偽装緩和同様、言葉とは裏腹に締め付けを継続するから皆さんヨロシクね、と云っているとしか思えない。これで喜ぶのは、わが国から輸出市場を奪いたい支那や韓国くらいだろう。トクアノミクスに邁進する白川総裁の悪党ぶりがよく分る。安倍政権が何と云おうと、自分だけは正しいと信じているから始末に悪い。
2%の物価目標を述べたくらいで、自民党は日銀法改正を放り出す必要はない。その程度のインフレターゲットは他の先進諸国では常識の範疇だ。むしろ詐欺みたいな偽装緩和と言葉遊びで政府や国民を騙す日銀こそ、徹底的に改革すべきなのだ。もっとも法改正は兎も角、先ずは3月に悪玉総裁の首を叩き斬ると云うなら、それはそれで納得するけどさ。