TPP、と聞いただけで興奮して逆上する連中がいる。アメリカの陰謀が〜っ!と胸をかきむしり、白目を剥いて卒倒する。かと思えば、農業が破綻する!と叫んで身悶えする奴。ききき金融が、ほほほ保険が、と妄想に脅えて座り小便する奴。最近では日本の伝統文化が消滅するとへたりこみ、涎を垂らしてへらへら笑い出す奴までいるらしい。恐怖で気が触れる無知な若者たちが哀れでならない。
全てはデマゴーグを垂れ流す評論家や学者が悪い。もっともらしい顔をして、TPPによって如何にわが国が壊滅的打撃を受けるか得々と語る。戦後の日本が自由貿易で成長した歴史をすっかり忘れ、鎖国こそが生きる道と説く。農業も金融も保険も医療もすべてアメリカの大資本に占領されるぞ、奴隷化されてもいいのか、なんてヌカす。すべて無根拠なウソばかりだ。
彼らの背後には、既得権益を享受する農協や医師会がある。長年、役所とつるんで濡れ手に泡で大儲けした銀行業界や保険業界もいる。日本と云う箱庭で、いつまでもいつまでも、おのれの利益を貪りたいから、ひたすらTPPに反対する。交渉にすら参加してはならん、と暴論を吐くのは、議論の過程で、競争排除型のインチキな業界構造が世間にバレてしまうからだ。
もちろん農協や医師会だって、自民党政権の支持団体だ。参院選を控えて、彼らの声を無視出来ないのは、よく分かる。しかしTPPは太平洋をぐるりと取り巻く国々が集まり、ルールや制度を共通化して、生き生きとした大市場を創造する試みだ。一部の既得権益業界の声に惑わされて、知らん顔を決め込んだら、損するのは日本の誇る輸出産業のみならず、殆どすべての消費者だ。安倍総理は断固として、TPP交渉参加を決意すべきだ。
それにしても、TPPには髪の毛を逆立てて反対する連中が、日中韓FTAには口をつぐむ理由は何なのだ。支那は数百基の核ミサイルをわが国に向ける国だし、韓国は竹島を土足で踏みにじり天皇陛下を侮辱する国だ。どうしてあんな国々と自由貿易協定が結べるのだ。「TPP反対」こそ保守の有るべき姿だと勘違いしている人もいるが、実は左巻きによる日米離反工作じゃないのか。何だか怪しい。