大前研一氏はビジネス論を語る人気者だが、どうやらいつも「日本は駄目だ」との考えが根底にあるようだ。つい何年か前も、外貨建て投資をしない日本人はバカだと公言していたが、日本経済は先細りで円も暴落するので、今のうちに海外市場の成長に賭けろ、と云う話だった。ソレを信じて外貨建て投資に踏み切った大半の人々が大損したと思うが、ご本人は平気な顔をしている。
さて、その大前氏が断言する。「無期限の金融緩和」や「200兆円の財政出動」を掲げる安倍総裁は日本経済の現状を理解していない。金融緩和を行っても無制限に資金を供給しても、個人にも企業にもニーズがないから、日本経済は再生出来ない。国の借金が対GDP比で300%を超えて、国債がデフォルトしてハイパーインフレになる。巷によくある安倍批判であり、無根拠な日本経済破綻論だ。
論破するのは簡単だ。国の借金と呼ぶが、政府の国債発行は余剰資金を吸い上げるだけ。政府は民間から吸収した資金を活用して、公共事業を進めてニーズを生み出せる。円札を幾らでも刷れる日本政府が円建て債務を抱えても、デフォルトのしようがない。そもそも僻地の最貧国じゃあるまいし、膨大な生産供給能力を要する先進国の日本で、ハイパーインフレは起きっこない。政府債務の対GDP比はGDPが拡大することで解決出来る。
こう考えると、日本経済破綻論なんて成り立たず、大前流の破綻論そのものがあっさり破綻する。なぜ大前氏がこんなつまらない主張をするのか不明だが、やはりビジネスが理由か。売文業が売上を伸ばそうと思えば、一般人の恐怖を煽るのが手っ取り早い。破綻する、地獄を見る、こう云った脅し文句を散りばめて、無知な読者を惹き付ける商売だ。あるいは単に反安倍勢力のひとりなのか。
安倍政権が始まったわけでもないのに、メディアはアベノミクスを執拗に批判するが、結局のところ、円安による日本の輸出競争力の復活が困る、日本が好況を迎えたら面白くない、日本のGDPが拡大するのは危険だ、と云ってるようにも聞こえる。まさに支那や南北朝鮮の真意が丸出しで、反日メディアの裏側が見える気がする。
大前氏はメディアが何を望んでいるか察して、言葉にする能力に長けているのかも知れないが、是非「お、お前は反日か!?」と尋ねてみたい。たぶん「違う!反日じゃない!」と胸を張るだろう。そして、きっとこう云う。「俺は、オオマエケンイチだ!」