自民党の提唱する国土強靭化政策に、民主党や維新の会がいちゃもんをつける。無駄だ、ばらまきだ、古い政治手法だと、公共事業を非難し、理由も示さず経済効果なしと断定して「悪」のレッテルを貼る。まさに公共事業悪玉論だ。
ちょっと待て、と云いたい。僅か1年9ヶ月前に東北大震災で甚大な被害を蒙ったばかりじゃないか。経済損失は数百兆円規模に及ぶ。今だって街や住居や道路が破壊されたままだ。多くの被災者が苦しく不便な生活にじっと耐えている。莫大な国富を投じ、果敢な公共事業を断行して、同胞を救いたいとは思わないのか。
被災地の復興こそ最優先課題だ。美しく豊かな東北を取り戻すだけでなく、二度と地震や津波に負けない強度なインフラを構築したい。千年に一度の天災で、何もかも失った東北地方だからこそ、未来型の国土計画と最新の土木技術や新素材で蘇らせたい。うまく行けば、これから千年や二千年くらい、軽く発展し続ける先端的地域にすることだって可能な筈だ。
もちろん国土強靭化の必要性は一部の地域に限らない。東北大震災の悲劇を繰り返さぬため、総力を結集し、日本全国で徹底的な防災対策を施したい。都市ぐるみで耐震化する。全国の高速道路を拡充する。より大規模で機能的な港や空港を建設する。日本人の暮らしをもっと安全にもっと豊かにするのが公共事業だ。
わが党ならこうしたインフラ整備や防災に取り組む。民主党や維新や未来が、そんな主張もせずに、公共事業悪玉論をぶち上げるのは、ハナから真面目に政治をやる気がないからだ。震災の傷跡を故意に放置して、日本人を苛めてどうする。あいつらは冷血な馬鹿と云うより、悪意に満ちた敵性人種と考える方が分り易い。