民主党の前原氏が、政権交替は間違っていなかった、と演説したのはつい最近のことだ。誰がどう見ても間違っていた民主党政権だが、自画自賛するのは自由だ。総選挙を控え、手柄を強調したい気持ちは判る。でも自慢げに語る言葉がこれか?「公共事業を32%も減らした。自民党政権では出来なかったことだ」
おいおい正気か、と神経を疑う。まだこんなことを云っている。民主党が政権を獲った途端、「コンクリートから人へ」の珍奇なスローガンを掲げ、公共事業を大幅に削減したのは事実だが、それで何のメリットがあったのだ。全国の公共事業を滅多切りにして、生活保護だ、子供手当だ、学費の無償化だとバラマキまくった結果、経済が停滞し、デフレが深刻化した。
それだけじゃない。道路やダムや各種公共施設の建設はおろか、補修すら満足に出来ない低予算が災いして、社会インフラがぼろぼろに脆弱化した。暮らしが危険になった。例えば、中央自動車道で発生したトンネルの天井崩落事故も、起こるべくして起こったのだ。仕分け劇場で「災害に備えるのは無駄だ」と見栄をきった、あのトカゲ面の馬鹿女は人殺しだ。
無駄を省き、民間が出来る仕事は民営化して、政府の肥大化を防ぐのは当然だが、国には国としてすべき仕事がある。国防やインフラ整備は個人じゃ出来っこない。全国民の命を守る政策こそ、国が責任を持って最優先で進めるべきなのだ。公共事業は絶対に「悪」ではない。
幸いにして、安倍総裁は、正しい公共事業は無駄使いではないと断言し、さらにこう主張する。「未来への投資、皆さんや子供達を災害から守る、これは政治の責任であります」ううう、思わず感動で落涙する言葉だ。その通りだ。自民党政権復活による日本列島強靭化に期待しよう。