株価は常に上下する。大波もあれば小波もある。潮の流れを見極めつつ、波に乗るのが株式投資の醍醐味だ。潮や波が自分の願い通りになることもあれば、逆に動くこともあるから面白い。いや、それだけは嫌と云う人は株なんぞやらなければいい。
株価がぐんぐん上昇中は、恩恵を受けるのはごく一部の富裕層と企業だけだと、アベノミクス効果を非難していたメディアの連中が、いざ下降局面に入った途端、庶民の生活を圧迫すると喚く。バカの見本だ。とにかく全てを安部政権批判の材料にする。
中には株価下落を指してバブル崩壊だと騒ぐ声まで聞く。確かに昨年末の衆院選から短期間に、株価は50%以上も急上昇した。でもこの程度の現象をバブルとは呼ばない。もっともっと過熱して、経済が沸騰して、はじめてぶくぶく「泡」が立つ。
不動産やゴルフの会員権が飛ぶように売れ、道端で1万円札を振ってもタクシーの空車がつかまらず、話題の高級レストランは半年先まで予約が取れなくなり、ワンレン・ボディコンのお姐ちゃんたちがお立ち台で踊り狂うようになって、はじめてバブル経済と称するのだ。
さて、アベノミクスの基本方針は、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3つだ。このうち最後の「成長戦略」がぱっとせず、掛け声とは裏腹に、岩盤のような規制をぶち壊す姿勢が見えない。3本の矢のバランスが悪くて、市場の期待感をちょっと萎ませる。
でも、各業界を代表する族議員の存在を考えれば、選挙前である以上、慎重な姿勢も致し方ないことだ。選挙さえ終われば、医療や農業や雇用など大胆な自由化を進めて、規制改革どころか規制撤廃で経済成長を図るだろう。官僚が過度に干渉する国家社会主義的な制度を廃し、原則自由な市場主義に徹すれば、世界の投資家が放っておく筈がない。
現在のやや軟調な株価について心配する必要はない。市場にはどんどん金が注ぎ込まれ、経済は活性化する。株は上がる。と云うか、暴騰の可能性すらある。出遅れ感で嘆いていた人にとってチャンスが巡ってきたのだ。株が目先で安くなれば、バーゲンセールだと思えばいい。買わなきゃ損だ。