G20で来米した麻生副総理が19日、ワシントンDCの保守系シンクタンク、戦略問題研究所CSIS: Center for Strategic and International Studiesで講演した。英語のスピーチでも日本語の演説と調子はかわらない。いつものダミ声で明るく元気に麻生節全開だ。ところどころに入れるジョークが憎い。ちゃんとウケている。
「アベノミクスとは何か。日本経済再生に向けた日本の取組みと将来の課題」の講演テーマに相応しく、「3本の矢」の説明は丁寧だ。黒田日銀による大胆な金融緩和、高橋是清ばりの財政政策と公共事業、TPPや規制緩和による成長戦略の説明は実に分り易い。デフレ脱却に向けこれだけ具体的な道筋を示せば、アメリカをはじめ他国だって納得せざるを得ない。今回のG20で大幅金融緩和に対する批判を抑えたどころか、デフレ脱却努力を支持する共同声明文まで出させたのは、わが国の発信力と麻生さんの存在感の勝利だろう。
TPPについては日米同盟強化の狙いに触れ、民主主義経済の1位・2位を占める大国同士が結びつけば、太平洋地域における巨大な安定か勢力足り得ると大見得を切った。こうした明快なヴィジョンをどんと打ち出して共感を呼ぶのが、まさに麻生流か。反TPP派、即ち社民や共産や小沢生活などの政治屋共や、農協が垂れ流すデマに踊らされる保守層に聞かせてやりたい言葉だ。
尚、演説の邦訳を掲載されている「代助のブログ」さんのアドレスはこちらだ。http://daisukeblog.com/?p=2089
動画がちょっと長いなと思う方は、スピーチの翻訳文を読んだ上で、後半の質疑応答をご覧になればいい。麻生さんが発する、規制緩和や農業改革、消費税増税などにかける言葉は熱い。安倍総理と並び、麻生副総理は最も頼もしい政治家だ。見ているだけで嬉しくなる人って、そうはいない。