2013年04月14日

聖域は守っても、農政改革は待った無しだ!

TPPによる関税撤廃で農産物価格が低下するからと云って、日本の農業が壊滅するなんて嘘っぱちだ。アメリカやEU同様、農家の収入は維持するため財政補填すれば済む話だからだ。ところが、それじゃ困ると喚く連中がいる。JA農協だ。共産主義的な農業共同体の組織化で、農家から生き血を吸い続ける既得権益団体だ。彼らは自分達がごっそりピンハネするため、国際水準からかけ離れた高値を維持したがる。

 

自由貿易云々以前に、おかしなスターリン体制の残滓が温存されていい訳がない。元を辿れば、減反政策で次々と水田を壊す出鱈目な農政を進める一方で、米、小麦、大麦、バターなどの独占国家貿易で肥え太る農水省も悪い。北朝鮮じゃあるまいし、市場を完全に無視して、国と組合組織だけが跋扈する農業は有り得ない。TPP参加を契機に農政を抜本的に改革すべきだ。

 

にもかかわらず、JA農協の支持票欲しさに、米や麦などの関税の維持すると宣言しているのだから、自民党も情けない。無論、来る参院選でも圧勝してもらいたいし、農業票も大切だ。しかし、TPP推進の立場であればこそ農業の未来像を示すべきなのに、ちっとも新しいアイデアがを出さない。改革案を語り出すと、現状が如何に異常かバレるのを怖れているに違いない。

 

残念なことだが、TPP参加後も、農産物の関税撤廃は思いっきり後ろ倒しされそうな気配だ。おいおい、レベルの高い自由貿易協定を目指すんじゃなかったのか、原則として全ての関税をゼロにするんだろ、と云いたいが、アメリカの自動車関税撤廃を思いっきり後ろ倒しすれば、当然、日本の農産物だってと云う話になる。

 

 

 

 

日本製自動車の輸入関税を撤廃すれば、せっかく持ち直してきた米自動車産業が大打撃を受けるのはわかりきっている。TPPを進めたいオバマ大統領にとっては頭の痛い問題だったろう。この急所をぐっと掴み、譲歩する姿勢を示して、お互い聖域は守ろうねとしっかり握手しちゃうのだから、安倍首相の交渉力は大したものだ。

 

これだけの交渉力があるのだから、外交面で手腕を発揮するだけでなく、農水省の改革やJA農協の解体にも取り組んで欲しい。市場原理を働かせて大規模化、産業化すれば、日本の農業には薔薇色の未来が待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

posted by yohkan at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | TPP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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