戦後の英国を疲弊させたのは労働党政権だ。中道を唱えるブレア政権が誕生するまで、かっての労働党はソ連と裏で密接な関係が噂された真性の左翼政党だった。基幹産業の国有化や福祉のバラマキで経済破綻を招いた。自国が如何に悪辣な植民地政策を行ったか、自虐史観を教育に取り入れて、子供たちから愛国心を奪った。
案の定、英国は困窮して社会全体に暗鬱なムードが漂った。特に1974年から1979年の労働党政権下で、支持母体の労働組合がストライキを頻発させ、経済が大混乱した。状況が日に日に悪化する中で、英国人は希望や誇りを失い、無気力状態に陥った。これが悪名高き英国病だ。
その暗鬱なムードを吹き飛ばしたのが、「鉄の女」サッチャー首相だった。79年に彼女が率いる保守党が大勝して政権奪回を果たすや、小さな政府による市場競争重視型の経済政策を推進した。ともすれば福祉に寄りかかる国民に対し、甘ったれるな!と檄を飛ばして自助努力を促した。あっと云う間に、経済を回復軌道に乗せた。
外交政策も見事だった。アメリカとの全面協調を打ち出して、共産主義に対峙した。これが後年、ソ連の崩壊に繋がる。82年のフォークランド諸島紛争では「領土こそ国家」の考えを貫き、国の内外の批判を他所に、敢然とアルゼンチンの侵攻を撃破した。
時代も国情も環境も違う。しかし、社会主義政策で日本を弱体化させ、さらに敵陣営と通じて領有権を含む国防をぶち壊したわが国の民主党政権は、かっての英国労働党政権とイメージがが重なる。そして、サッチャー政権発足を境に英国の空気ががらりと変わったように、安倍自民党の政権奪取と共に日本に明るさと活気が戻った。
安倍首相の強いリーダーシップにより、わが国は復活に向け着実な歩みを進めている。これを知ったら、故サッチャー女史も草葉の陰で喜ぶだろう。ほらね、あたしも昔似たようなコトをしたのよ、と霊界でお仲間に自慢話しそうな気がする。ご冥福を祈りたい。