聞くところ静岡方面で河川の氾濫が激しいらしい。新幹線の計画運休とやらが発表され、わが家に滞在する上京中の親類が「帰るに帰れない」と困り顔だ。
で、いきおいテレビで台風情報を追うのだが、コレが一様に深刻な被災状況を映し出し、場合によっては過去の大型台風の映像まで紹介し、怖いぞ、怖いぞと脅し文句を吐き散らす。
視聴者に警戒を呼びかけ、防災への備えを促すのは結構だが、だからと云って、この世の終わりが来たような、アナウンサーのわざとらしい深刻な表情に白けてしまう。
台風なんぞは年中行事ゆえ、天気図を掲げて直近の気象予想を示し、ついでに交通情報を付け加えてくれれば充分で、対処はそれぞれの視聴者の判断に任せればいい。
旅程の変更を余儀なくされたり、家屋を流されたり、命を落とすかも知れないが、ソレが運命なら受け入れるしかないゾ。と思うが、テレビ局は一般人の覚悟など許さない。
テレビの唯一の取り柄たる「即時性」を活かすのは、スポーツ中継を除けば、緊急ニュースしかないと知るせいか、恐怖の台風関連報道に無闇に力を入れる。
つい数週間前の南海トラフ大地震の馬鹿騒ぎも酷かった。地震なんて発生するまで予測は不可能なのに、そんな常識や科学的事実は無視して恐怖情報の拡散に徹する。
びくびく怯えて暮らす臆病な子羊大衆をテレビ画面に惹きつけようと、屁理屈を捏ねて大天災到来が確実と報じる目的は、視聴率稼ぎか、はたまた反原発運動の類か。
いずれせによ、ひたすら視聴者の不安や恐怖心を煽るだけのテレビ報道は、所詮「正体見たり枯れ尾花」だから、ホラー映画を楽しむ感覚で眺めるしかない。

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