今春、世界中で爆発的にヒットした「ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー」を興行成績で凌ぎそうな作品、と聞けば見たくなる。ソレが今夏公開の「バービー」だ。
着せ替え人形の実写化ゆえ、バービーで遊んできた女性たちは誰もが虜になるだろうし、スレンダーな金髪美女が主人公を演じるから男性も関心を寄せる筈。
マリオにせよ、バービーにせよ、長年、愛し憧れてきたキャラクターが大画面で活躍するのは大人も嬉しいし、勿論、子供が喜ぶ。家族で鑑賞するにはモッテコイだ。
それにキャラの知的財産権を持つ任天堂やマテル社も、映画を作るユニバーサルやワーナーも、登場人物の肌の色や容姿を無理やり換えて不評を買うほど間抜けじゃない。
共産主義者主導のポリティカル・コレクトネスに迎合し、登場人物を改竄して原作のイメージをぶち壊すディズニー社とは姿勢が違うから、観客が安心して楽しめる。
実際、「バービー」が7月21日に全米で公開された途端、空前のヒットとなった。封切りから僅か3日間で1億ドル(140億円)近くの興行収入を得たと云うから驚きだ。
リカちゃん人形が人気を誇る日本では、米国内ほど熱狂的に迎えられずとも、この実写映画は夏休み時期の話題をさらうに違いない、と確信した。
ところが、話はそう上手く行かない。8月21日の日本公開を前にして、「バービー」の公式SNSアカウントにわが国のユーザーから批判の声が殺到中なのだ。
ヤラセか否か不明だが、ワーナーが「バービー」と同時期に公開した「オッペンハイマー」と組み併せた #barbenheimer なる造語がX(旧ツイッター)でトレンド入りを果たす。
原爆の父とバービーを組み合わせたコラ画像がXに投稿されたところ、宣伝効果ありと見たか、ワーナーの公式アカウントが早速「いいね」をつけた。
コレに多くの日本人は不快感を覚えたのは当然だろう。猛炎の浜辺でバービーを肩車するオッペンハイマーの画像に、広島・長崎の原爆投下のイメージがダブってしまう。
ネガティブな反応に慌てて、国内配給元のワーナー日本支社が「極めて遺憾」とコメントしたが、今のところ米国本社からの声明は伝わって来ない。
続きを読む