随分昔の話だが、長野県出身の義父から勧められ、「イナゴの佃煮」なる珍味を生まれて初めて口にした。パリパリサクサク感と香ばしさ、濃いめの甘辛い味付けが辛口の酒に合う。
へええ、美味しいっすね、と云ったら義父はえらく喜び、愛い奴と感じたか。サッと自ら台所に立ち、コレも常備品だゾと、今度は「蜂の子」なる瓶詰めを持ってきてくれた。
イナゴと違い、ムニュムニュモチモチしたやや奇妙な食感だが、こちらもソレなりに旨い。スズメバチの幼虫ゆえ、見栄えは悪いが、如何にも栄養価が高そうなオツマミだ。
義父が語るには、自然豊かな長野では大人も子供も昆虫類を食すとか。云ってみれば郷土の伝統料理らしく、たぶん、全国的にも似たような地域があるだろう。
そう考えれば、近頃、新食材として話題のコオロギも毛嫌いする理由はない。生憎、ブログ主は未だ試していないが、味付けによっては好物になりそうだ。
ゆえに、どこかの学校がコオロギを調理した給食を供したくらいで、父兄が憤慨し「子供に食べさせるな」と猛烈なクレームをつけていると聞けば、仰天せざるを得ない。
さらには憂国の情が勃然と湧くのか、わが国の食文化を破壊する気か!と、コオロギ食材を敵視する人たちもいるようで、ンな大袈裟な、とゲラゲラ笑ってしまう。
安全性ガーッと不安視する向きもあるが、そんな連中こそが、得体の知れない添加物てんこ盛りのスナック菓子なんぞを平気で喰っているかと思えば面白い(知らんけど)w
勿論、昆虫なんぞ喰えるか、バカヤロー!と思うのは勝手だし、気持ち悪さを感じる人もいる筈。蓼喰う虫も好き好きだ。いや、虫喰う人も好き好きか(笑)
で「好き好き」でいいじゃんか。コオロギ食推進がSDG’s絡みと聞けば、また詐欺かと疑いたくもなるけど、喰う、喰わないは嗜好の問題だし、人それぞれ裁量の範疇だ。
全国民が一斉にコオロギを喰ったり、逆に揃って拒否する必要はない。何でも国が云々、政府が云々となりがちだが、各事業者や個人が己で判断すべきなのだ。
誰が何と云おうと、選択権は我にあり。他人にアレコレ云われる筋合いじゃないし、好みが違ったとて他人に文句をつけちゃいけない。その辺りは新コロ対策のマスクも同じだ。
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