改札口を通れば、駅の構内から件の場所が確認出来る。出口のタクシー・バス乗り場のすぐ向こう側、車道と横断歩道に挟まれ、白いガードレールに囲まれた三角州だ。

報道で目にした通り、応援演説の安倍さん同様、駅を背にして三角州に立てば、正面にはポッカリと空が広がり、両サイドの車道に面し幾つかのオフィスビルが並ぶ。

奇妙だ。駅前ではあれ、繁華街じゃない。なぜこんな寂しい場所が選挙演説の場として選ばれたのか。オフィスビル付近に集まる聴衆の数などタカが知れている。
背後の駅前広場は拡張工事中だが、歩行者やバス、自動車が行き交う。奈良県警が事件当日、なぜ交通規制も警察車両の配備もしなかったのか、さっぱり解らない。

左方向に目を転じると、ニュースで見慣れた光景に気付く。この辺から山上なる犯人(おそらく鉄砲玉)が近付き、玩具もどきの手製銃で散弾(空砲?)を放ったのだ。

三角州で合掌する。と、ソコに「立ち止まらずに通行ください」の張り紙が。「お花やお供えなどは故人へのお気持ちと共にお持ち帰りください」の文言は、あまりに悲しい。

わが国の誇る偉大な指導者が、こんな殺風景な場所でむざむざと命を奪われたのか。杜撰な警備体制や噂のスナイパーに対して猛烈な怒りが湧く。悔しさに涙が溢れる。
そして決意する。この暗殺事件を風化させまいと。安倍総理の八面六臂の素晴らしい活躍や多大な功績と共に、歴史の惨劇をわれら全国民の記憶に刻み込みたい。
と考えたせいか、こんな夢を見た。演説する安倍さんの銅像を建てるのだ。大和西大寺駅前の暗殺現場は、数多の愛国者が巡礼する聖地となるだろう。

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