2022年06月14日

怒れる日本の山々

2011年の東日本大震災で真っ先に思い出すのは、津波が街並みをごっそり飲み込む地獄絵図だが、菅直人政権の閣僚、松本龍復興相の粗暴な振る舞いも何故か記憶に残る。

ヤクザ然としたこの男、震災発生より数ヶ月を経て宮城県庁を訪れた際、「客が来るときは、自分が部屋に入ってから客を呼べ」とイチャモンをつけて知事を叱責した。

約束の来訪者があれば応接室に通し、その後迎える側が入室し然るべく面談する。このあたりは一般社会で常識的な慣習ゆえ、松本大臣の妄言は理解不能だ。

察するに、記者をぞろぞろ連れての訪問ゆえ、知事に出迎えて貰いたかったか。不満が嵩じて「助けてやらないないぞ」などと復興相にあるまじき暴言を吐き、世間の酷評を浴びた。

その際、印象的だったのは村井嘉浩宮城県知事の毅然とした姿勢だ。詫びるでもなく(そもそも詫びる理由は全くない)、媚びるでもなく、極めて冷静且つ穏やかに対応した。

分不相応な重職を得てのぼせ上がっているチンピラ大臣をいなすのは、さぞ難しいだろうに、鮮やかにやってのけた知事は一体何者なんだろ?と興味を引いた。

検索したら、村井さんは防衛大学校出身の元自衛官とある。退官後、松下政経塾を経て宮城県会議員となり、2005年から県知事を務める。ふむふむ、なるほどネ。

さすがは元軍人だ。背筋がピシッと伸びている。現在は無所属ながら自民党の推薦を受ける良識派知事として活躍し、県民の信頼も厚い。知事職も既に昨年より5期目に入る。

さて昨日、村井知事がニュースに登場したので、何かと思えば、関西電力が宮城県の山間部に180m級の風車を20数台も設置する風力発電事業に関する話だった。

関電の計画に対し「東北でわざわざやらず、関西でやればよいではないか」と、知事が不快気に語ったのは当然だ。自然破壊や景観喪失を憂慮する県民も多いだろう。

村井さんは続ける。「われわれは多くの山林を抱え、日本全体の脱炭素に貢献している自負がある。わざわざ山の木を切り倒してやる必要があるのか?」

「ないぞ!」と、ブログ主は思わず大声で叫んでしまった。樹木を次々と伐採し土を掘り返し、太陽光パネルや巨大風車で美しき山々をぶち壊すなんて、狂気の沙汰だ。

古来、人々に豊かさを与えてくれる日本の山々は「神」だ。非効率で不安定な僅かばかりの電力を求め、山を穢し緑を失うのは、余りに愚かだ。神の怒りに触れたいのか!?


angry mountain.jpg

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posted by yohkan at 10:46| Comment(48) | TrackBack(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする