2022年02月26日

ウクニッポンライナの悪夢

前回のエントリで、ウクライナ絡みの米露首脳プロレスを描いた。バイデンは選挙目当てでヒーローを気取り、プーチンの怖い顔はヒール役の演技と書いた。

ついでに「経済制裁を課されるほど、小さな隣国を虐め倒すつもりは毛頭ない筈」と私見を披露したら、翌日にはロシア軍が侵攻を開始した。とんだ赤っ恥だ(泣)

素人が勝手な思い込みで国際情勢を語っちゃいけないな、と反省する。もっとも予想が大外れした自称識者や専門家、評論家も散見するので、プロにとっても難題だったか。

いずれにせよ、露軍は東部の親露派地域にとどまらずウクライナ各地を攻撃中だから、もう無茶苦茶だ。全土制圧もキエフの陥落も時間の問題だろう。

こんな悲惨な結果を招くなら、冷戦終結直後、米英露との「ブダペスト覚書」締結に応じて、大量の核兵器を放棄するんじゃなかったとウクライナが嘆くのも当然だ。

覚書で大国が約束した領土の保全と主権の保障は何処へやら、牙を剥くロシアの傍らで、米英が身を挺して助けに来る様子はなく、NATOも域外ゆえと知らん顔だ。

米主導の対露経済制裁も効果の程は疑わしい。付き合いで小手先の制裁に終始するヘタレ日本ほど露骨でなくとも、G7は自陣が返り血を浴びるほどの措置は取らないだろう。

振り返れば、ウクライナが国民投票を通じ、長年、西側への帰属を否定してきた結果ではある。ロシアとの縁は切れず、米国との関係を密接化しつつ中国にも擦り寄った。

何でも商売ネタにする国らしく、中国に空母ヴァリャーグ(改称後は「遼寧」)を兵器搭載のまま売り飛ばしたのも、北朝鮮にミサイル技術を提供したのもウクライナだ。

八方美人に徹すれば、世界中が味方してくれると錯覚したか。公称20万人の兵力も即時に動けるのは1万人以下で、戦車・装甲車など機動装備は常時燃料不足とか。

自国への攻撃に仰天し、市井の人々が自衛のため銃を手にしていると聞くが、下手に抵抗すれば、重装備のロシア軍に踏み潰されて無駄に命を失う。

保有していた核兵器を放棄し、国際協調に期待して、旗幟を鮮明にせぬまま軽武装に徹してきた以上、侮られるのは道理。ウクライナには気の毒だが、自業自得ではある。

と、ここでウクライナとわが国の姿が重なる。いざとなれば信義も条約もヘッタクレもない国際社会のジャングルで、自衛を忘れた弱者は強者の餌食となる運命だ。

ウクニッポンライナの旗が血に染まる。敵軍に容赦無く命を奪われるか、あるいは奴隷状態に甘んじて生き延びるか。最後にどちらを選ぼうと、呪うべきはお花畑の平和主義だ。


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posted by yohkan at 13:00| Comment(40) | 世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月21日

米露首脳、マイクを握る

「テメエの好き勝手にはさせねえぞ、この野郎!」とバイデンが吠える。プーチンも負けちゃいない。「余計な手ェ出しやがったら、ぶっ殺すぞ!」と脅し文句を吐く。

ウクライナ情勢が緊迫し、ロシアの武力侵攻間近と聞かされ暫く経つが、もうひとつピンと来ない。両首脳の掛け合いが、リング上のマイクパフォーマンスに聞こえる。

激しい対立の構図がプロレスに見える。互いの派手な挑発で観衆の興奮を誘う。殴る蹴るの場面では、怪我を負わぬよう負わさぬように配慮しつつ、ポーズをキメ合う。

振り返ると、ウクライナが東部の親露派地域に自治権を与える旨、ロシアとのミンスク合意を交わしたのは2015年。独仏も協議に参加し、欧州安保協力機構が地域の監視を継続中だ。

武力で脅され無茶な要求を飲まされたと、ウクライナ側は合意内容に不満を抱き、執拗に修正を求めてきたが、ロシア側は一向に応じぬまま今日に至る。

業を煮やしたウクライナがNATOに入リたいと喚き出し、米露の密約があるからそりゃ絶対にダメだ!とロシアが反発して、バイデン大統領の登場場面と相成った。

しかし、冷静に考えれば、爺さんが立ち回りで脚光を浴びるべき場面ではない。NATOの東方拡大を認めるか否か、米国が一存で決める類の話でもない。

武力衝突となれば欧州全域に悪影響があるから、独仏が平和維持と交渉継続に積極関与する。現実的には露ウ両国が既合意事項を踏まえつつ、協議を継続するしかない。

ウクライナの後ろ盾になるにせよ、米国は静観出来る局面だ。あえてバイデン大統領がしゃしゃり出るのは、息子ハンターの件含め、同国に個人的な借りがあるからかw

いや、ソレだけじゃない筈だ。先の不正選挙に加え、コロナ対策の迷走や環境派への過度な配慮、アフガン撤退による大混乱など、失政続きで酷く評判が悪い。

このままでは「無能な大統領」の烙印を押され、バイデン民主党は今秋の中間選挙でボロ負けする。米国民のウケを狙うなら、敵国相手に強さをアピールするのが一番。


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posted by yohkan at 08:45| Comment(42) | 世界 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月15日

北京が五輪をぶち壊す

ななな、何と云う無茶苦茶な大会になってしまったのだ。誤審や不正行為が相次ぐ北京五輪の出鱈目さに、只々我が目を疑う。これほど不快なオリンピックも珍しい。

金メダルを獲るためなら、何でもありか。スピードスケートやショートトラックなど、謎の判定が続出し、中国選手のライバルたちが次々と失格する馬鹿馬鹿しさ。

審判が審判なら、選手も選手。コースの境界線を示すブロックを競争相手のブレードにぶつける、リアルマリオカート風の荒技は、支那伝統の曲芸を思わせるw

スキージャンプ混合で高梨沙羅選手らがスーツの規定違反とやらで失格とされたが、中国代表のレベルの低さを隠すため、審判を買収して有力国の点数を引き下げたかと疑う。

平野歩夢選手がハーフパイプ決勝の2本目で異様な低得点になったのは、アメリカとカナダの審判員が犯人らしいが、背後に中国の意志がなかったとは言い切れない。

世界最高峰の選手たちが磨き上げた技を競い合うべき祭典で、あからさまなインチキや理解し難い誤審が罷り通り、見る側が疑心暗鬼に陥るとは何とも悲しい。

過去の似たような例は、同じく冬季五輪のキムヨナに対する採点と、日韓共催サッカーW杯くらいか。卑怯極まる韓流の反則技と審判買収は、世界中を怒らせ呆れさせた。

コレだから、民度の低い後進国に大きな国際大会をやらせてはいけないのだ。どんなに汚い手を使っても勝てばいい式の特亜的思考に、フェアプレイの概念は微塵もない。

習近平は共産党幹部に「謙虚で、信頼され、愛され、尊敬される中国を目指せ」と指示したやに聞くが、いやいやいや、そりゃ絶対に無理だろよ、と嗤ってしまう。

オレ様主義の身勝手さが、スポーツマンシップを踏み躙り、五輪をぶち壊す。傲岸不遜な中国は不信を買うばかりで、憎しみと侮蔑の対象と化している。


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posted by yohkan at 09:17| Comment(61) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月08日

裸の王様に一言

昨秋の総裁選以降、蚊帳の外にいた河野太郎氏が再び脚光を浴びる。切っ掛けは「堀内大臣のことをいろいろ言う人がいるが…」と切り出した数日前のツイートだ。

ワクチン3回目接種の大幅遅延に関連し「私の時と比べてワクチンチームの人数が激減。私の時はチームは大臣室の隣にいたけれど、今は隣の建物の地下」と暴露する。

さらに「厚労省が情報を出さない。最終的な決定権がない。都道府県とのリエゾンチームが解散させられた。ワクチンメーカーとの交渉が一元化されていない」との指摘が続く。

ふむふむ、まだか、まだか、と堀内ワクチン担当大臣を責めちゃいけないのね。悪いのは人事を弄り体制を変えた岸田総理なのだな、と実情がよく分かる。

民間でもトップが人事刷新で自分流の新体制を目指すのは珍しくないが、新総理がふとした思いつきで、円滑に機能していた政府の組織をぶち壊したのだから罪深い。

河野さんのツイートだけ読めば、情報を出さぬ厚労省も悪者になるが、岸田政権発足直後、感染対策の新たな取り纏め役は財務省出身官僚と、メディアは報じていた。

ワクチン接種推進強化に向け、ガースーがパイプを持つ総務省を通じて実務を進めたのに倣い、キッシーが仲良し財務官僚に頼ろうとしたのが失敗の原因だろう。

前政権へのヘンな対抗意識で、菅総理が確立したワクチン供給体制を闇雲に否定したのが間違いだったのは明白だ。無能な輩が上に立つと、この手の悲劇が起こる。

新旧政権から全くアテにされない厚労省官僚の低脳ぶりは、分科会に代表される厚労村の学者どもの迷走や、行動制限など無意味な感染対策の提唱で一目瞭然だ。

聞けば、文科省は感染対策と称して、学校での合唱や管楽器の演奏、調理実習を控えろと都道府県に通知したとかw。役人サマの発想なんて、所詮このレベルだ。

官僚にシゴトを任せれば、「やってる感」の演出で保身と省益確保に走るだけ。如何に手綱を締め鞭を入れ、彼らを思い通りに動かすか、指導者の力量が問われる。

安倍・菅総理は知力・胆力・腕力で役所を動かすことが出来た。岸田総理には出来ない。絶対に出来っこない。お友達の財務省官僚に舐められ、操られる裸の王様だ。


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posted by yohkan at 11:19| Comment(51) | 自由民主党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年02月02日

天国への旅立ち

巨星墜つ。石原慎太郎氏逝去の報に接して浮かぶのは、この言葉しかない。祖国日本を心から愛し、全身全霊を捧げた偉大な存在の喪失に、唯々呆然とするばかりだ。

氏は人生を通じ、政界・言論界あるいは文学界の大スターとして君臨し、昭和のアイコンとでも呼ぶべ銀幕の大スター、実弟の故石原裕次郎氏をも凌ぐ輝きを放ち続けた。

「太陽の季節」で鮮烈な文壇デビューを飾った。媚びず恐れず、新しい感覚と発想で既成概念の打破に挑戦し、独創的な文学を構築して脚光を浴びた。

政界進出後もその姿勢はいささかも変わらない。旧弊因襲に囚われず、抵抗勢力と戦い、己の愛国心と信念に従い理想を求めて果敢に行動し、改革に尽力した。

いちいち功績を数え上げたらキリがない。国会議員や大臣として、更に都知事として、国民のため、都民のため、氏ほど身を挺して活躍した人物を他に知らない。

左翼勢力や敵国による執拗な「極右」のレッテル貼りがイメージを捻じ曲げたが、決して偏った思想家ではなく、公平無私で良識的な正しい政治家だった。

歯に衣着せず敵国を糾弾し、パヨクを叩き、無能なジャーナリストを叱る姿が印象深いが、何より日々の生活を豊かにし、明日に希望を持たせてくれる指導者だった。

名もなき庶民の声に耳を傾け、ひとつひとつ身近な問題を全力で解決してくれる人情味溢れる親父で、だからこそ東京の下町で、圧倒的な人気と支持を誇ったのだ。

どこぞの「聞く力」自慢の間抜けとは違う。石原御大は「聞く力」に加え、鋭い感性と判断力、実行力を兼ね備えていたから、風見鶏にはならずグダグダに迷走もしなかった。

仮に総理大臣の椅子に座れば、稀代の名宰相として記憶に刻まれただろう。他国に阿ることなく、国際社会で堂々たる存在感を示す「日本の顔」と成ったに違いない。


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posted by yohkan at 08:43| Comment(87) | 石原慎太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする