2020年06月15日

無駄な抵抗はよせ

前々回の拙エントリ「渋谷でミネソタ」で触れた、米中西部ミネソタ州で黒人男性が白人警官に拘束され死亡した事件。ソレに端を発した暴動が収まらぬ最中、またまた不幸な事件が起きた。

今度は南部ジョージア州アトランタで、飲酒運転で摘発され抵抗した黒人男性が、白人警官に撃たれて死亡した。案の定、警察への抗議デモが暴徒化し、放火や略奪騒ぎが起こる。

慌てたのはアトランタ市側で、然したる事情調査も経ぬまま、市長が警察の対応を非難。市警の本部長が即座に引責辞任し、発砲した警官も免職処分になった。

どう説明しようと、警察の暴力体質と人種差別が諸悪の根源と、メディアが不名誉なレッテルを貼るのは予想がつく。関係者のクビを切り、さっさと幕を引きたい州や市の意向はよく分かる。

但し、SNSで拡散された事件の動画を見ると、単純な疑問が湧く。射殺されたレイシャード・ブルックスなる人物の抵抗が、滅茶苦茶に激しいのだ。コレ、警官に撃たれて当然だろ?

ハンバーガーショップの駐車場でふらつく飲酒運転男が、手錠をかけようとする警官をぶん殴り、テーザー銃を奪い、逃走を図る。警官が発砲して、何の不思議もない。

威嚇射撃にとどめたり、足を狙うなどの配慮が望ましい場面ではあれ、警官も命懸けだ。酔っ払いに殴られ、銃口を向けられれば、恐怖するし、容疑者を取り逃すミスは犯したくはない。

たまたま当たり所が悪く、男性が死亡したからと云って、ある日突然、職を失う警官が気の毒でならない。社会の治安を守るため、真面目に職務を遂行しただけじゃないか。

同じことは先般のミネソタ州の事件に関しても云える。ジョージ・フロイド なる人物は偽札使用で通報され、駆けつけた警官にパトカーに同乗を促された際、激しく抵抗したと聞く。

しかも、噂によればこの人、強盗、窃盗、麻薬所持などの前科持ちとか。警官にしてみれば、ああ、また、お前かと、多少荒っぽく取り扱うべき無法者だったかも知れない。

無論、絶命するほど首根っこを抑えつける必要はなさそうだが、暴れ回る屈強な男と対峙し、負ければ己の身が危ない警官の立場も考慮してやるべきだろう。


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posted by yohkan at 14:08| Comment(65) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする