2019年11月23日

不正義が、みずほ銀行を潰すか?

「企業は社会の公器なり」は、松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助翁の名言だ。企業は世間様のモノゆえ、国家社会への貢献こそが使命だと説いた。

天下の資本と人材を集め、土地を占有して事業を営む以上、人々により豊かな暮らしをもたらして、適正な利潤を上げ、納税を通じて社会的責任を果たせ、との教えでもある。

全ての経営者が肝に銘ずべき言葉と思うが、例えば、ソフトバンクの創業者、孫正義氏なら馬耳東風と聞き流すだろう。企業を公器と思わなければ、耳に痛い筈の言葉も響かない。

会計上の黒字決算で、孫氏本人は多額の報酬や配当を受けながら、ソフトバンクグループ(SBG)は税務上の損失を重ね、赤字決算を続けて、ひたすら納税を避ける。

お粗末な携帯電話事業や博打打ち同様のベンチャー投資だけでもみっともないのに、企業の納税義務すら果たさないのだから、故松下翁が孫氏とSBGの姿を見たら、卒倒するに違いない。

そのSBGが先日、傘下のヤフージャパンと韓国ネイバー子会社 LINE の合併案を発表した。両社のユーザー数は合計1億数千万人に上るそうで、巨大寡占メディア誕生とマスゴミが囃し立てる。

孫氏が韓国政府から要請され、業績不振に喘ぐ LINE の救済に乗り出したとの噂もあるが、裏事情はどうでもいい。単純に、ああ、またアドバルーンをあげてるなと思う。

孫氏の提供する話題はいつも「世界最大」云々の大風呂敷だ。米通信スプリントや英半導体アームの買収も、期待値を目一杯膨らませ、数兆円もの投資に強気一点張りで臨んだ。

輝ける優良企業があっさり買収される筈はなく、ちょっと調べれば、かなりの訳アリと分かる。デカイ儲け話で兆単位の円を手中にする詐欺じゃないか?と疑いたくもなる。

従来から怪しげな投資話をネタに、社債発行と銀行借入で負債を拡大してきたのが、SBGの実態だ。LINEを傘下に収めるのも、巨額のカネ集め目的だっとして不思議はない。

海外ではS&Pやムーディーズによる信用格付けが低く、「ジャンク債」扱いのSBG社債も、国内では驚くなかれ、日本格付研究所が「A-」を与えているから、取り敢えず資金の調達は出来る。

もっとも、クーポン目当ての購入者を募る社債と違い、融資を依頼される銀行は困惑するだろう。運用先の少ない昨今でも、リスクは取り難い。メインバンクのみずほ銀行は、どう対応するのか。


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posted by yohkan at 07:55| Comment(59) | ソフトバンク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする