2019年11月11日

ソフトバンクグループのお父さん(倒産)

ソフトバンクグループ(SBG)の総帥、孫正義会長兼社長が自ら語る輝かしい成功物語とは裏腹に、世間から一流の経済人として認められないのは致し方ないだろう。

英 Vodafone 日本法人を買収し、携帯電話事業を拡大させたものの、成功要因は当初、米アップル社のiPhoneを独占的に扱えたことだけで、然したる付加価値を生んだ訳ではない。

iPhoneがKDDIやNTTDocomoなど他社にも解放され、独占が崩れた途端にビジネスは先細りとなったのは、ソフトバンクがキャリアとして必要な設備投資も行わず、回線障害が多発したためだ。

SBGは傘下にソフトバンク、ヤフージャパンを有し、後者を通じ先頃、ZOZO 社株の過半数を取得した。他には6年前、米電話会社スプリントも買収しているが、いずれも業績はパッとしない。

近年注目を集めるのは、SBGが一昨年に設立した投資会社ソフトバンクヴィジョンファンドで、10兆円規模(SBG3兆円、外部投資者7兆円)の資金運用成績が問われることになった。

投資の成果は長期的視野で判断すべきだが、SBGは本年度第二四半期(7〜9月)で「投資評価損」による ▲7000億円の最終損失を計上したのだから、胸が張れる成績ではない。

直近の決算会見では、孫氏本人が米シェアオフィス「ウィーワーク」に対する投資判断がまずかったと認めつつ、「(業績は)ボロボロです。真っ赤っかの大赤字」と自嘲気味に語る有様だ。

SBGをIT分野の牽引車的投資マシンと称えていたメディアが、手のひらを返し、孫正義の名を「『損』正義」に変えたほうがよいと揶揄するあたりが、事態の深刻さを示す。

赤字決算を節税対策の一環と見る向きもあるようだが、現在の同社にそんな余裕はない。「孫氏、強気の姿勢崩さず」と伝えられるが、実際は忍び寄る「倒産」の影に怯えているのではないか。


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posted by yohkan at 12:56| Comment(51) | ソフトバンク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする